ブログ記事、随時更新中。日本・関西地区を拠点に活動。これまで世界16か国を訪問。交通やまちづくりに関する研究も活かし、主に世界&日本の旅や交通、まちづくり、バリアフリー等に関する情報を中心に、時には楽しく役立つ記事を、時には将来像や社会提言などを発する記事など、様々な情報を発信。時々、他のことを発信することもあり。コメントやご意見はご自由にどうぞ(誹謗中傷は絶対にお止めください)。

2023/12

2024年3月ダイヤ改正:JR西日本北陸新幹線&北陸エリア

2024年3月のダイヤ改正。次は北陸新幹線&北陸エリアです。
北陸新幹線に関しては、JR東日本から出されている情報も合わせて、取り上げます。

JR西日本金沢支社:2024年3月16日 ダイヤ改正を実施します ~北陸新幹線 金沢~敦賀間が開業します~
JR東日本:2024 年 3 月 ダイヤ改正について
今回のダイヤ改正で最大のニュースは、何と言っても北陸新幹線の金沢~敦賀の開業でしょう。

北陸新幹線は東京駅からJR東日本が運行する線を通ることから、JR東日本系の新幹線とも言えますが、その新幹線が関西圏を走る新快速の始発・終着駅でもある、敦賀駅まで到達することから、JR東日本系の新幹線がついに関西圏の入り口まで到達する、とも思えます。
北陸新幹線E7系・W7系
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ただ、関西在住者にとっては、今回は非常に複雑な思いを抱くものでもあります。
これまで、大阪~金沢は特急「サンダーバード」で直通で行けるところを、敦賀で強制乗り換えとなってしまい、これは不便極まりないものです。後述する通り、実際には所要時間は少しは短縮となるものの、乗り換えがあると、心理的・感覚的に遠くなることは否めません。これでは、北陸の人は直通で行ける、首都圏へと流れることが容易に予想でき、より一層東京への一極集中を招きかねません。それを防ぎ、より安定的な輸送が可能な、北陸新幹線の残り140kmである、敦賀~大阪の1日も早い開業を急ぐべきです。

2024年3月16日からの運行形態、JR西日本のリリースより
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◎北陸~首都圏・信越方面
東京~敦賀に、「かがやき」「はくたか」を計14往復となります。
首都圏からの需要は金沢である程度、減ることを予測してか、速達タイプの「かがやき」に関しては金沢~敦賀で、福井のみ停車は5往復だけとなり、あとは温泉への観光客などを見込んでか、途中駅に停車する「かがやき」が設定されてます。「はくたか」に関しては、全て金沢~敦賀を各駅停車として、各駅から首都圏へ直通するダイヤとなる他、金沢以東の所要時間短縮も公表されています。
東京~福井は最速2時間51分と、直通で行ける北陸新幹線へと確実に移行しそうですが、東京~敦賀は最速3時間8分と、途中米原で乗り換えはあっても、東海道新幹線の方が距離的にも所要時間的にも有利です。とは言っても、首都圏~北陸は心理的・感覚的に近くなることは間違いないでしょう。
「かがやき」「はくたか」は後述する、近畿・中京圏との連絡は特に考慮されず、北陸~信越・首都圏の移動に特化する形となります。風で止まりやすい、湖西線の影響を東京~大宮まで持ち込みたくないのでしょう。

◎北陸~近畿・中京圏
金沢にて、特急「サンダーバード」。大阪~敦賀での運転になり、金沢では2024年3月で見納めに
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特急「サンダーバード」を大阪~敦賀で25往復特急「しらさぎ」を敦賀~米原または名古屋で15往復となり、敦賀で両列車と接続する北陸新幹線「つるぎ」が25往復設定される形です。他に、敦賀で特急に接続しない「つるぎ」が上下合わせて5本運転されます。
「つるぎ」は各駅停車タイプが主流ですが、現状の「サンダーバード」には、速達タイプで京都~金沢を福井のみ停車の速達タイプもあることから、「つるぎ」においても、同様に速達タイプとして敦賀~金沢を福井のみ停車の列車も設定されます。これによって、芦原温泉駅などでは、一部「かがやき」は停車しても、一部「つるぎ」は通過する駅が誕生することになります。
先日、金沢へ行った際に、京都~福井ノンストップの特急「サンダーバード」に乗車。敦賀駅通過シーンも2024年3月まで。


敦賀駅での乗り換えに関しては、新幹線の直下に新設されるホームに特急「サンダーバード」「しらさぎ」が発着することになり、極力乗り換えの負担を減らすことは配慮される形になりますが、心理的・感覚的には面倒になることは否めません。

敦賀での乗り換えイメージ図(JR西日本のリリースより)
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それに、大阪~金沢は22分短縮で最速2時間9分、大阪~福井は3分短縮で最速1時間44分に留まり、現状の「サンダーバード」でも十分速いことが示されてます。一方、大阪~富山となると、新幹線の距離が伸びる分、29分短縮の2時間35分となり、乗り換え駅が金沢から敦賀に移る形となります。
ただ、今回の敦賀延伸によって、今庄付近での大雪や大雨による影響、手取川橋梁付近での風による影響などは受けなくなることから、運行に関する安定性は向上するでしょう。
やはり、前述した通り、北陸新幹線を敦賀まで開通させた以上は、残り140kmとなる、敦賀~大阪を1日も早く開通させるしかありません。
そして、「つるぎ」に関しては、今回全車両を対象に指定席・自由席を設定するほか、グランクラス(車内サービスなし)も発売されることが公表されているほか、特急「サンダーバード」「しらさぎ」に関しては全席指定席となります。

◎七尾線
特急「能登かがり火」が金沢~和倉温泉に、1日5往復、臨時で1往復設定されます。
こちらも、現在は1日1往復ながら、特急「サンダーバード」で大阪~和倉温泉を直通で行けるところを、2回乗り換えとなり、料金も値上げとなり、関西方面からはデメリットが大きいものとなります。

◎小浜線・越美北線
東京からの新幹線に合わせて、接続を改善することになります。両者とも、今後JR西日本が単独では維持できない利用者の少ない路線です。新幹線の効果が出るのでしょうか。
小浜線に関しては、2024年10月より、敦賀~天橋立~城崎温泉でキハ189系を使用した、新たな観光列車も走り出しますが、どのような効果が出るのか、注目です。
JR西日本:特別な旅を創る新たな観光列車の 列車名・デザインについて
JR西日本:特別な旅を創る新たな観光列車 ~2024年秋 デビュー~

◎敦賀~米原に快速を運転
現在、「しらさぎ」には、早朝に金沢を一番に出発する52号と、深夜に米原を最後に出発する65号がありますが、これら両列車は北陸新幹線に接続できないことから、廃止となりますが、これの代替として、敦賀~米原をノンストップで直通する快速が設定されます。敦賀6:31発⇒米原7:08着と、米原22:48発⇒敦賀23:20着の2本です。
同時に敦賀で接続し、三セクに移管される、ハピラインふくいでも、この快速に接続する、快速列車の運行が発表されています。
ハピラインふくい:開業ダイヤの概要が決まりました!
2015年に北陸新幹線が金沢まで開通した際、それまで存在した特急「サンダーバード」の富山発の始発列車の代替となる、快速列車を三セク側で設定されなかったのとは対照的な対応となりました。
「しらさぎ」に関しては、敦賀~米原のみ運転の列車もありますが、この区間は45kmほどの距離で、これなら快速でも十分なのではと思うほか、せめて全列車を名古屋発着とし、中京圏~北陸の利便性を損ねない方が良いのでは、と思えるところもあります。


以上、今回のダイヤ改正の最大のニュースであり、かつ関西在住者にとってはデメリットも多い、北陸新幹線・北陸エリアに関することを、私見を交えて紹介しました。引き続き、他のエリアも紹介予定です。

2024年3月ダイヤ改正:JR西日本近畿エリア

2024年3月16日のダイヤ改正。
今回は私のおひざ元でもある、JR西日本の近畿エリアを取り上げます。
今回は嵯峨野線と、新幹線や特急「サンダーバード」・「しらさぎ」に関すること以外を、私見も含めて、取り上げます。
JR西日本近畿統括本部:2024 年 3 月 16 日 ダイヤ改正を実施します
嵯峨野線の件は先日取り上げています。


◎特急「スーパーはくと」:増発の一方で、京都発着は大幅に縮小
スーパーはくと・名探偵コナン号のパンフレット。意外に写真をほとんど撮ってません。今後、京都駅とかで写真を撮らないと。
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大阪~鳥取に関しては1日8往復に増発の一方で、京都発着は1日2往復に大幅に縮小
。同時に、姫路駅での新幹線との接続改善も発表。
一時は、姫路発着になることも噂されてましたが、大阪発着は維持され、増発も実現することになりました。 
乗りものニュース:進む老朽化 3セク特急「スーパーはくと」のゆくえ 車両更新は「単独では困難」 必須条件いろいろ
特急「スーパーはくと」は大阪~鳥取を直通してこそ、意味があるものです。首都圏・名古屋~鳥取の移動が、大阪・神戸~鳥取の移動よりも圧倒的に多ければ、姫路発着でも問題ありませんが、現状は後者の方が多いのは明らかであり、姫路で強制乗換となれば、不便極まりありません。もし、姫路で強制乗換となれば、大阪~姫路は新快速で十分となり、JR西日本としても特急料金収入を、みすみす取り逃がすことになります。
一方で、京都発着は2往復と、大幅に縮小されることになりました。乗車率を見ると、やむを得ないでしょうか。


◎奈良方面の有料座席サービスを拡大・・・通勤特急「らくラクやまと」新設と、「快速うれシート」の拡大
「らくラクやまと」に使われるとみられる、287系くろしお車両
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「やまとじライナー」が廃止されてから、有料座席サービスがなかった奈良方面。奈良は近鉄特急の存在感が圧倒的なこともあり、JRの特急や有料座席サービスが入り込む余地がなかったことが想定されますが、おおさか東線が新大阪まで開業してからは、臨時特急「まほろば」が運転され、近鉄では取り込めない、新大阪での新幹線乗り換えを意識したことでしょうか。と言っても、奈良から新幹線を利用する場合、東京方面は京都駅からの利用が便利なこともあり、必然的に山陽・九州方面の利用に限定されます。
この「まほろば」を平日にも拡大して、定期化もあり得るのではと思いましたが、経路を天王寺・大阪(地下ホーム)経由に変更、久宝寺や王寺と言った途中駅にも停車した上で、名称を「らくラクやまと」に変更し、実現することになりました。天王寺経由としたことで、大和路線沿線からの利用が多く、途中駅で着席が難しい、天王寺からの着席保証があることは大きいでしょうか。車両は資料を見る限り、「まほろば」と同じく、「くろしお」用の車両でしょうか。

あと、2023年10月より開始した、快速うれシート。正直、これに関しては、普段から利用する快速の転換クロスシートと変わらず、着席保証以外に付加価値はありません。しかも、一部は向かい合わせの席もあり、料金もチケットレスでは300円ですが、紙のきっぷでは通常期530円と割高な点が否めません。やるなら、新快速Aシートのように座席を改造して、付加価値をさらに上げて欲しいところですが、実際には拡大が決まったことから、それなりの利用があったのでしょうか。
「快速うれシート」のパンフレット
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◎通勤特急「らくラクはりま」を京都~網干に拡大
京都方面に通勤する需要を取り込み、車庫への回送を営業列車とすることで、乗客を増やそうとすることでしょうか。
神戸・明石・姫路方面への有料座席車両での着席サービスは、並行する阪急・阪神・山陽がともに消極的なこともあり、現状ではJR西日本だからこそできる、と言ってもいいでしょう。以前は、そのJR西日本も、こちらの方面の有料座席サービスはやや消極的な感じでしたが、近年は通勤特急「らくラクはりま」の新設に、新快速Aシートと、急速に拡大傾向です。


◎通勤特急「びわこエクスプレス」を「らくラクびわこ」に名称変更、一部時刻を変更
他の通勤特急と同じく、「らくラクびわこ」に変更した上で、2号は大阪19:20発に変更となります。
こちら京都・滋賀方面は、以前からそれなりに有料座席サービスがありましたが、並行する私鉄でも既に京阪プレミアムカーがあり、さらに2024年夏には阪急プライベースもデビュー予定で、それなりに各社の有料着席サービスを意識してのことでしょう。2023年3月からは大阪駅・うめきた地下ホームができたことにより、特急「はるか」も選択肢の一つとして加わったと言えます。そして、前述した特急スーパーはくとも、朝の京都発、夕方・夜の京都行きが残したあたり、京都(向日町)へ(から)の回送も兼ねて、大阪~京都の着席サービスをラッシュ時間帯には残したかったとみられます。
あとは、新快速Aシートも合わせて使えますが、まずは新快速Aシートを草津・野洲発着の全列車にまで拡大して欲しいところです。このままでは新快速Aシートは、京阪プレミアムカーや阪急プライベース、JR東日本の首都圏グリーン車と比べても、中途半端感が目立ちます


◎夕方以降の特急「くろしお」の和泉府中停車を拡大&特急「はるか」が全列車定期列車に
阪和線方面も、特急「はるか」「くろしお」と、有料座席サービスが多い方面です。2023年3月からは大阪駅・うめきた地下ホームができたことにより、両列車が梅田エリアで直接乗り降りできると言う、長年の悲願とも言えたことが、ついに実現したところです。
大阪駅・うめきた地下ホームに停車中の283系特急「くろしお」
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ただ、これらの列車は関西空港方面、和歌山・白浜方面と本来は中長距離向けの列車であり、阪和線内の短距離向けを想定した列車ではありませんが、本来の利用よりも阪和線内の途中駅での有料座席サービスを充実させたいことなのでしょう。
いずれ、過去にあった「はんわライナー」のように、阪和線内の途中駅や阪和間での有料座席サービスや速達性に特化した、「らくラクはんわ」なる列車ができるのでしょうか。阪和間・大阪市~和歌山市での着席サービスや速達サービスだけを見た場合でも、並行する南海の特急「サザン」と比べると、特急「くろしお」は大阪・新大阪に直通すること以外は不利な点も多いです。また紀州路快速も日根野以南は多くが各駅停車となっていて、速達性低下が否めないことから、阪和間や阪和線内の速達性や有料座席サービスが、もう少し強化されてもいいのでは、と思うところもあります。
資料を見ると、283系オーシャンアロー車両が掲載されています。斬新なデザインで人気はある一方で、年数を経て、何かとトラブルも多い、この車両ですが、引き続き使用されるのでしょう

あと、同時に特急「はるか」が30往復60本すべてが毎日運転の定期列車となり、9両編成での運転を継続することも発表。コロナ禍で関西空港の国際線発着が激減し、一時はほぼ全便運休に追い込まれるほど、一番コロナ禍の影響を受けた同列車ですが、5類移行に、水際対策の撤廃などにより、関西空港の国際線発着も戻り、インバウンドの観光客が増えていることを考えると、当然のことでしょう。
デビュー直後にコロナ禍となり、一時はニートトレインとなった271系も、ついに本領発揮
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◎JRゆめ咲線、朝通勤時間帯に増発
朝時間帯に毎時8本から10本に増発。同時に行先や時刻も変更。行楽シーズンやイベント実施時には臨時列車も運転。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンへのアクセス路線として、さらに万博開催時には万博会場へのアクセス路線の一つとして、利用者増加が見込まれる線ですが、西九条の構造を見ると、既にパンク状態な上に、環状線のダイヤの乱れにすぐに巻き込まれるなど、弱点があることも否めません。これらを解消するには、西九条駅を大改造するか、なにわ筋線の開通を待つしかないでしょうか。あと、昼間が毎時4本は少なすぎます。最低でも5~6本は必要でしょう。


◎奈良線、平日夕方に京都から城陽に先着する列車を増発
個人的に、時々利用することのある奈良線ですが、2023年3月より、京都~城陽の全線複線化が実現し、ダイヤの均等化や行き違い待ちの解消により、便利になった奈良線。同時期に並行する近鉄では大幅な値上げが行われたこともあり、奈良線に転移する客も多くなっていると言われています。特に、今回増発の恩恵を受ける、JR小倉・新田・城陽の各駅は、至近距離に近鉄京都線の小倉・伊勢田・大久保・寺田と言った駅があり、これらの駅からの転移が増えているのでしょう。今後、どのような動きがあるか、注目です。
大和路線や奈良線、おおさか東線の221系
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◎おおさか東線・城北公園通駅に直通快速が停車
城北公園通駅の近辺は、以前は大阪市内では鉄道空白地帯とも言えるほどの地域で、大阪シティバスの10号系統などが頻繁に運行されているほどです。この地域に貨物線を旅客化してできた、念願の鉄道駅とも言えるだけに、利用が増えているのでしょう。
ただ、直通快速は本数も少なく、年々停車駅も増えている上に、普通列車に関しては基本的に毎時4本のみと少ないです。それにおおさか東線内で追い越しできる駅もありません。これなら、普通列車のみ毎時5~6本にした方が利便性が向上するように思えます。そして、車両も転換クロスシートの221系にしたのは大きな間違いです。323系のようなロングシートにするべきでしょう。


◎特急「南紀」をワンマン運転
JR東海から乗り入れる、特急「南紀」のJR西日本区間である、新宮~紀伊勝浦がワンマン運転になります。HC85系置き換えを機に、JR西日本乗り入れが廃止との噂もありましたが、和歌山県などが観光客誘致に動いている中、なかなか廃止は現実的ではありません。そんな中、特急にも関わらず、ワンマン化を決めたことになりますが、この区間はそれほど利用者が多い訳でもないので、特に問題なしと判断されたことでしょう。
特急「ひだ」「南紀」のHC85系
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◎和歌山エリアでの乗り換え時間改善
和歌山駅、橋本駅、和歌山市駅で、JR各線または南海との乗り換え時間が改善と、御坊駅での乗り換え時間の改善が発表されています。
紀勢線の和歌山~和歌山市は、別名紀和線とも呼ばれていますが、JR和歌山駅と南海和歌山市駅とを連絡する路線として、それなりの利用があるにも関わらず、日中の毎時1本は少なすぎます。最低でも毎時2~3本は必要でしょう。


◎発車時刻の変更
きのくに線の和歌山発御坊行きの時刻を17:50から18:00に変更、山陰線の園部発福知山行きを17:26発から17:38発に変更。

◎行先・運転区間の見直し
和歌山線五条5:51発JR難波行きが、王寺行きに変更となり、同一ホームで乗り換えになりますが、天王寺・大阪への所要時間は短縮となります。
近年は和歌山線も多くの区間で毎時1本に減らされ、天王寺・大阪への直通も減らされてますが、近くに近鉄が走っていて、需要が戻りつつある中でも、減便なままと言うことは、利用者が減っているのでしょうか。

◎米原~敦賀に快速を運転
現在、早朝始発の米原行き、深夜最終の金沢行きの特急「しらさぎ」がありますが、これらは敦賀で接続の北陸新幹線がないことから、今回廃止となりますが、代替の快速が走ることになります。米原~敦賀となれば、45kmほどと短く、これなら快速でもいいのでは、と思うところもあります。三セクに移管して、接続となるハピラインふくいでも敦賀~福井で快速の運転が発表されています。
ハピラインふくい:開業ダイヤの概要が決まりました!

以上、JR西日本の近畿エリアのダイヤ改正を、私見も交えて、取り上げました。他の地域のダイヤ改正も順次取り上げます。

新幹線・特急列車の座席を有効活用する方法を考える

前回、特急サンダーバード等が来年春のダイヤ改正で、全席指定席になることを取り上げましたが、今回は新幹線や特急列車の座席を有効活用する方法について、取り上げます。


今回の記事に関して、簡単に結論を述べると、
座席を有効活用するなら、車両ごとに指定席と自由席を、明確に区別するのは止めること
です。

日本のJRの多くの新幹線や特急列車は、指定席6両・自由席2両と言ったように、車両ごとに明確に指定席・自由席を区別するシステムが主流です。ちなみに、私鉄の有料座席車両に関しては、例外なく全席指定席であり、自由席は一切存在しません。
一方、世界を見ると、ずっと前から、ドイツ・スイス・イギリスなどでは、他国への直通列車等を除き、多くの長距離列車で、全車両座席の予約が可能だが、予約なしでも空席に座れるシステムを導入しています。個人的に、ヨーロッパに行って、ドイツのICEなどに乗った際、何度か利用しているうちに、座席を無駄なく、有効活用できる良いシステムだと、と感心したところです。
ドイツのICE

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それに対して、日本のJRの新幹線や特急の多くが今まで、車両ごとに明確に指定席・自由席と区別するやり方では、残念ながら、座席の無駄が多く、有効活用できていない、と言わざるを得ません。
ただ、近年は全席指定席化の流れに先鞭をつけた、JR東日本がこのような点に気付き、常磐線の「ひたち」・「ときわ」、中央線の「あずさ」・「かいじ」・「富士回遊」、東海道線の「踊り子」・「湘南」などで、ほぼ同様のシステムを導入しています。
JR東日本:首都圏発着の在来線特急・ご利用方法

JR東日本・中央線の特急「あずさ」「かいじ」「富士回遊」 E353系

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JR東日本・中央線の特急で、新たな着席サービスが導入された時のパンフレット①
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JR東日本・中央線の特急で、新たな着席サービスが導入された時のパンフレット②
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ここで、様々な利用状況に応じて、新幹線や特急列車の座席の有効活用方法を考えて行きます。

全席指定席の列車に関しては、事前に予約なしでは基本的に乗れないため、今回対象にしていません。事前に予約ありでも、予約なしでも乗れる場合を想定します。

※ここでは全てを10両編成とし、座席定員に関しては、1車両あたり全て50人に統一しています。また、指定席と自由席を車両ごとに明確に区別する場合は、指定席7両・自由席3両としています。


ケース①・・・事前に座席の予約希望が多く、当日の予約なしが少ない場合
(前者400人、後者50人とする)


◎車両ごとに明確に指定席・自由席を区別する場合(日本のJRの多くの列車)
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指定席は全て満席となり、予約希望者のうち50人は座席の予約ができません。一方で、残り3両の自由席には十分空席があり、この50人を受け入れる余裕が十分あるにも関わらず、予約を断らざるを得なくなります。しかも、確実にその50人が乗ってくれることがわかっていて、その50人分の特急料金収入も確実に見込めるのに、予約を断って、自らの手でみすみす収入を逃してしまうとか、非常に勿体ないことであります。この予約を断られた50人は、他の手段への逸走も招きかねません。

◎全車両予約可能だが、予約なしでも空席を利用できる場合(イギリス、ドイツ、スイス、JR東日本の一部列車など)
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予約希望者の400人全員が、全車両で座席の予約が可能となるほか、予約なし希望者の50人も空席を利用して、全員座ることが可能です。



ケース②・・・事前に座席の予約希望が少なく、当日の予約なしが多い場合
(前者100人、後者200人とする)


◎車両ごとに明確に指定席・自由席を区別する場合(日本のJRの多くの列車)
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前者の100人は問題なく、全員予約が可能です。
一方で、後者のうち、50人は指定席車両に十分空席があるにも関わらず、座れないという状況になります。基本的に、自由席券で指定席の空席に座ることが認められていないことがほとんどのため、こちらもまた非常に勿体ない話であり、次からは他の手段への逸走を招きかねません。


◎全車両予約可能だが、予約なしでも空席を利用できる場合(イギリス、ドイツ、スイス、JR東日本の一部列車など)
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前者の100人は、もちろん全員が全車両を対象に予約可能な他、後者の200人も空席を利用して、全員が着席可能です。




このように、全車両予約が可能だが、予約なしでも空席を利用できるシステムの方が、座席を有効活用できることがわかりましたが、この方式を採用する場合、各座席・1席ごとに予約の有無が、わかるものを示す必要があります。


イギリスやドイツなどでは、各座席に液晶パネルがあり、ここに座席の予約が入っている区間が表示される仕組みです。旧型車両の場合は、紙で差し込んでいる例もあります。

イギリスの日立製の車両、サウスイースタンのジャベリン。何も表示がない場合は、予約なしを意味する。予約が入っている場合は予約区間が表示される。

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JR東日本の場合、各座席にランプがあり、ランプの色で判断する仕組みです。ただ、これではどの区間に予約が入っているか、明確にはわからない点があり、やはりヨーロッパのように区間がはっきりと書かれている方がわかりやすいです。
中央線・特急「あずさ」E353系のランプ。緑は予約あり、赤は予約なし。次の駅から予約が入っている場合は、真ん中の黄色が灯る。

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元々、特急列車は指定席が当たり前でしたが、今のようにネットや券売機もない国鉄時代に、乗り切れない人や乗り遅れが続出したことにより、時刻に縛られずに乗れると言うことで、救済で自由席が設定された経緯があります。しかし、今となってはネットや券売機で指定席券が購入しやすくなり、確実に着席が保証されることの他に、JR側からしても指定席の方が事前に乗車率を把握できて、座席の有効活用とともに、車内改札を省略できて、人員も減らせると言う、合理化も可能になることもあり、自由席車両は時代遅れの感が否めません。
一方で、自由席は時刻に縛られずに、気軽に乗れるメリットもあることから、特に地方では学生などが通学で短距離に自由席が利用されている点もあります。

これら両方を満たすには、やはり全席指定席化した上で、全車両座席の予約が可能だが、座席の予約をしなくても空席を利用できるシステムを導入することが一番です。ヨーロッパでは、ずっと前から導入されていたシステムを、ほぼ同じ形でJR東日本が取り入れたことは、見事であると思います。


一方で、まだ全席指定席化には、ほとんど踏み切っていないのが、JR東海・JR四国・JR九州となるほか、JR北海道やJR西日本の場合は、中途半端な感が否めないことから、ぜひJR東日本やヨーロッパのようなシステムを、JR各社で導入し、1人でも多く座れるよう、座席を有効活用して欲しいと思うところです。

JR西日本、特急サンダーバード等を全席指定席に

JR西日本は、2024年3月16日のダイヤ改正で、特急「サンダーバード」・「しらさぎ」・「スーパーはくと」・「スーパーいなば」・「やくも」を、全席指定席化することを公表。
JR西日本:北陸新幹線の座席区分・一部在来線特急の全席指定席化およ び特急用定期券(パスカル)の一部区間発売終了等について ~2024 年 3 月 16 日 ダイヤ改正から座席区分を変更します~


同時に、サンダーバードとしらさぎに関しては、繁忙期や閑散期などの料金の設定を北陸新幹線に合わせること、北陸新幹線においては「つるぎ」おいてグランクラスを営業し、指定席・自由席の設定変更、そして特急用定期券・パスカルの発売も一部終了が公表されています。


金沢駅にて、特急「サンダーバード」。北陸新幹線の敦賀延伸により、来年3月15日で見納めに。
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個人的には、確実に座れる保証があった方が良いことや、座席の有効活用などの観点から、この全席指定席化の動きに関しては基本的に賛成です。

さて、以下のように、近年は各地で新幹線や特急列車の全席指定席化が進んでいます。
既に全車指定席の列車
 ※・・・座席未指定券を導入または導入予定
 ◎JR東日本・新幹線(一部、直通するJR北海道・JR西日本を含む)
  ・東北・秋田・山形・北海道新幹線「はやぶさ」「こまち」「はやて」「つばさ」
  ・北陸新幹線「かがやき」

 ◎JR東日本・在来線特急
  ・中央線「あずさ」「かいじ」「富士回遊」※
  ・常磐線「ひたち」「ときわ」※
  ・東海道線「踊り子」「湘南」※
  ・成田空港方面「成田エクスプレス」※
  ・高崎線「草津・四万」「あかぎ」※
  ・東武直通「(スペーシア)日光」「(スペーシア)きぬがわ」 

 ◎JR西日本・在来線特急
  ・阪和線・きのくに線「くろしお」
  ・北近畿方面「こうのとり」「きのさき」「はしだて」「まいづる」「はまかぜ」
  ・通勤特急「びわこエクスプレス」「らくラクはりま」
  ・奈良方面臨時特急「まほろば」


NEW!  2024年3月16日より、全席指定席になる列車
 ◎JR北海道・在来線特急
  ・函館・室蘭方面「北斗」「すずらん」※
  ・帯広・釧路方面「おおぞら」「とかち」※
   JR北海道: 【社長会見】一部特急列車の「全車指定席化」と「おトクなきっぷ」のリニューアル等について ~より安心で快適な列車、おトクで便利な商品体系に生まれ変わります~

 ◎JR東日本・在来線特急
  ・千葉・房総方面の全列車「わかしお」「さざなみ」「しおさい」※
   JR東日本:房総方面の特急列車を全車指定席で運転します

 ◎JR西日本・在来線特急
  ・北陸方面「サンダーバード」「しらさぎ」
  ・鳥取方面「スーパーはくと」「スーパーいなば」
  ・伯備線「やくも」

2023~2024年の年末年始より、ゴールデンウイーク・お盆・年末年始の繁忙期限定で実施
  ・東海道・山陽新幹線「のぞみ」
   JR東海・JR西日本:この冬、年末年始は「のぞみ」号を全席指定席として運行します ― 3大ピーク期に「のぞみ」号の指定席を増やし、ご予約いただきやすくします ―



これを見ると、全席指定席化の流れに先鞭をつけたのは、何と言ってもJR東日本でしょう。東北新幹線「はやて」・「こまち」を全席指定席にして以降、段階的に自由席をなくし、来年春から房総方面も全席指定席化することで、JR東日本の首都圏の特急から自由席車両が全て消滅します。

この動きにJR西日本やJR北海道も追随し、JR西日本の関西圏でも、来年春から自由席は、関西空港方面の特急「はるか」と、JR東海から乗り入れる特急「ひだ」で残るのみとなります。特急「はるか」は、空港アクセスと言うこともあり、飛行機が遅れると、乗る予定の列車が決まらない、と言った点もあり、自由席を残すとみられますが、南海ラピート、成田エクスプレス、京成スカイライナーは既に全席指定席であり、いつまでも自由席を残すとは思えません。

東海道・山陽新幹線「のぞみ」も、この年末年始から、繁忙期は全席指定席化に踏み切ります。今後、通年にわたって、拡大するか、注目です。

ちなみに、私鉄においては、有料座席車両は全て指定席であり、自由席は一切存在しません。


ただ、JR東日本と比べると、JR西日本の全席指定席化は中途半端な感が否めません
JR東日本は、中央線や常磐線等で全席指定席化するにあたり、大規模な制度変更や車両の改造などを実施した上で、踏み切ってます。
その例を取り上げると、
◎全席指定席で、全車両座席の座席が可能だが、座席未指定券で空席を利用可能
◎改札内に指定席券売機があり、直前に思い立ってもすぐに購入可能
◎各座席に空席状況がわかるランプを取り付け
◎指定席料金を、これまでの自由席と指定席の中間程度の料金とし、指定席利用者には値下げ
◎車内購入はペナルティとして、割増料金を設定


と言った、大規模なことをやっていますが、JR西日本の場合、チケットレスで割安な料金になっている以外は、特に上記の変更などすることなく、基本的に今までの制度のまま、全席指定席化を実施していることもあり、やはり中途半端な感じが否めません。これはJR西日本に対して、JR東日本のように大規模な制度変更などした上で全席指定席化に踏み切って欲しかった、と注文を入れたくなります。
特に、
他の駅から乗車し、改札内で乗車直前に購入と言ったことが十分考えられるはずなのに、大阪駅や天王寺駅と言った、主要駅でさえも、改札内にみどりの券売機がないのは、あり得ないと考えます
こう言った点があり、今回JR西日本の全席指定席化には批判の声も多いように見受けられます。


次の記事では、特急列車の座席の有効活用について考えて行きます。

JR嵯峨野線:2024年のダイヤ改正で、京都市内の区間がコロナ禍前のダイヤに戻ることが決定

JR西日本は、2024年3月16日(土)のダイヤ改正の詳細を公表。

今回は北陸新幹線の金沢~敦賀開業などが大きなニュースですが、これに関しては後に取り上げることにして、当ブログでは最近、インバウンドの観光客が戻るなどして、オーバーツーリズムによる混雑が問題化するJR嵯峨野線の件を2回、取り上げてきたところです。




この混雑問題は、既にテレビニュースや新聞と言った、メディアで何度も取り上げられ、さらに京都府知事も改善要望を出すほどの事態となり、この夏頃から秋の紅葉シーズンにかけて、臨時増発や臨時増結も行われるなどしていたところです。
これらの動きから、次のダイヤ改正でどのように改善されるのか、注目されてきましたが、今回JR西日本は日中時間帯の増発などを公表しました。

元阪和線の223系
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◆JR西日本のリリース
JR西日本:2024 年 3 月 16 日 ダイヤ改正を実施します
JR西日本・近畿統括本部:2024年3月16日にダイヤ改正を実施します

主な内容は、
◎日中時間帯の京都~嵯峨嵐山間で普通列車を6往復増発、同区間の普通列車は15分間隔・毎時4本に
◎6・8両で運転する列車が増加
◎行楽シーズンや沿線でのイベント開催時には、さらに臨時列車も運転


となっています。

JR西日本のリリースより
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今回、日中時間帯に京都~嵯峨嵐山間に普通列車が6往復増発され、同区間、つまり京都市内区間の各駅は毎時4本・15分間隔となります。それに加え、快速もこれまで通り、毎時1本運転されます。
※保津峡駅も一応、京都市内の駅ではありますが、周囲を山に囲まれて、秘境駅とも言えるほど、利用者が極端に少ない駅であることから、個人的には京都市内区間に入れてません。

これは、増発と言うより、コロナ禍であった2021年に減便された経緯があることから、今回のダイヤ改正で、コロナ禍前のダイヤに戻る、と言った方が正しいでしょうか。両数も6・8両の運転が増やされることになりました。

過去のブログ記事でも取り上げた通り、嵯峨野線の京都市内の区間は普通列車しか停車しない駅でも、観光客や通勤・通学客で、それなりに利用者の多い駅が連なることもあり、これを基本的に4両・20分間隔で捌こうとしていたことが大きな間違いであったと考えます。

京都市内区間の普通列車を、毎時4本・15分間隔を最低でも確保した上で、追加で快速を走らせるのであれば、快速を運転することは否定しません。しかし、京都市内区間の普通列車を毎時3本・20分間隔に減らしてまで、変に快速にこだわってもメリットはほとんどない、これなら普通列車のみ毎時4本にした方が、嵯峨野線全体の利便性は向上すると論じてきました。

結果として今回、2021年のダイヤ改正以前と同じく、京都市内区間の各駅を毎時4本・15分間隔を確保しながら、別に快速もこれまで通り毎時1本運転され、亀岡・園部方面の速達性も同時に確保されることとなりました。一部では、ダイヤを戻そうにも、京都駅付近で関西空港方面の特急”はるか”とも線路を共有する単線区間が存在することにより、増発は不可能と言った声もありましたが、それは問題ではなかったことが示されたことになります。
そして、両数も6・8両の列車が増やされることになりました。京都駅の構造を加味しても、4両では亀岡・園部寄りの車両でも、発車直前には乗り切れない事態が起きていることもあり、6・8両になれば、京都寄りの車両を避ければ、積み残しが出ることはほとんどなくなるでしょう。


これにより、現在のダイヤと比べると、改善されることは確かですが、根本的に解決に至るかと言えば、決してそうではないと思えます。

引き続き、残る問題点を挙げると、
① 一部、阪和線からやってきた2+1列シートの車両があるとは言え、全てがクロスシートであり、詰込みが効かない車両
② 京都駅の構造上、京都寄りの車両に乗客が集中し、混雑する
③ 馬堀駅だけが割を食い、最大30分、間隔が開く
④ 亀岡~園部は毎時1本のまま(2020年の時点では毎時2本あった)


①に関しては、まずは2+1列シートで、詰込みが効きやすい、阪和線からやってきた車両を、嵯峨野線京都~園部間で京都寄りに連結することだけに特化した運用を組むことです。この車両を亀岡・園部寄りに連結したり、湖西線に入る運用をなくすことでしょう。さらには、大幅に詰込みが効く、ロングシート車両を入れることも考えることでしょう。

②に関しては、過去にも取り上げた通り、京都駅ホームを地下化するか、旧ビックカメラの位置に改札や連絡通路、南北通路を設置するしかありません。

③に関しては、馬堀駅に快速を停車させれば、毎時4本となり、最大30分、間隔が開くことは防げますが、快速の速達性との兼ね合いでしょうか。同駅利用者から快速停車の要望が増える可能性はあり得そうです。
※保津峡駅も同様に割を食いますが、利用者が極端に少ない駅なので、特段影響はないでしょう。

④に関しては、亀岡市や南丹市でも問題として取り上げられ、さらに京都府知事もオーバーツーリズムによる混雑問題と合わせて、こちらも元の本数に戻すよう、要望を出していましたが、今回は見送られることになりました。やはり、JR側としては利用者数が増える見込みがないとの見方ですが、今後自治体がどのような動きを見せるかでしょうか。


嵯峨野線の混雑問題と合わせて、今回のダイヤ改正の件も取り上げましたが、今後どのように変化するのか、観察したいところです。

次の記事から、他のダイヤ改正のポイントを、私見と合わせて、順次取り上げていきます。まずは、私のおひざ元である、関西エリアからとなります。

混雑が問題になるJR嵯峨野線②:京都駅ホームを地下化するなど、大改造するしかない

個人的にも時々利用することがあり、今年に入ってから、インバウンドの観光客が完全に戻り、混雑が問題になっているJR嵯峨野線。

前回はダイヤと車両の面を中心に取り上げましたが、今回は京都駅の構造上の問題を取り上げます。


嵯峨野線の混雑問題を語る上で、ダイヤや車両面の問題はもちろんですが、それとともに問題となるのは、やはり行き止まり式になっている京都駅の構造上の問題があります。
簡単に結論と改善策を述べると、京都駅の嵯峨野線ホームを地下化して、大改造するしかありません

嵯峨野線の京都駅33番のりば
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行き止まり式になっている、嵯峨野線の京都駅33番のりば
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現状、嵯峨野線は京都駅の31~34番のりばに発着します。31番のりばは主に福知山・舞鶴・城崎温泉方面へ向かう特急が、32~34番のりばに主に嵯峨野線の快速・普通が発着します(34番のりばは降車専用)。
30番のりばからは関西空港方面の特急”はるか”が発着しますが、今の線路配線を見ると、京都駅~梅小路京都西駅のうち、京都駅~大宮通りとの交差部付近、数百メートルの区間のみ、京都~園部間全線が複線化された現在でも単線であり、さらに関西空港へ向かう特急”はるか”もこの同じ単線の線路を共有するため、ダイヤ上のネックとなる区間です。これが故に、京都駅において、「嵯峨野線京都行き列車の到着」、「嵯峨野線亀岡・園部方面行き列車の出発」、「関西空港行きの特急”はるか”の出発」、これら3つを同時に行なうことができません。ちなみに、京都行きの特急”はるか”到着に関しては、JR京都線の外側線から30番のりばに直接入線できるため、上記の単線区間と線路を共有することはありません。
京都駅構内の線路配線(Wikipediaより)
京都駅配線

単線で残る区間、ちょうど瑞風が通過
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この京都駅・嵯峨野線ホームの構造上の問題を述べると、

◎0番のりばから、大阪寄り・西に数十メートル離れた、行き止まり式・頭端式の終着駅となっていること。
◎ホームの亀岡・園部寄りに、改札や他の線との乗り換えが可能な連絡通路が一切存在しないこと。
です。
京都駅構内図(JRおでかけネットより)
京都駅構内図

これらの構造が故に、どうしても京都寄りの車両に利用が集中してしまいます。
京都駅の嵯峨野線ホームから、他の線へ乗り換えるにも、改札へ向かうにも、この0番のりばへ数十メートル東へ向かう通路1本しかありません。この通路に京都駅で嵯峨野線を利用する全ての乗客が集中すると言え、実際に嵯峨野線の列車が到着すると、この通路が非常に混雑し、なかなか前へ進めないと言うことも起きています。


ちなみに、同じ京都駅では、他に奈良線ホームも行き止まり式の終着駅ですが、奈良線に関しては京都寄りの橋上の西口改札に向かう通路だけでなく、奈良寄りにも地下改札や地下通路にもつながる階段があり、嵯峨野線のような問題は起きません。

JR西日本としても、京都寄りの車両の混雑を避けるため、京都駅においては、あちこちに“前へ前へ”と書かれたポスターを貼っている他、ホームの亀岡・園部寄りには外国人にも人気である、忍者の人形と記念撮影できるコーナーも設置しているほどです。
前へと乗車を呼び掛けるポスター
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忍者の人形と記念撮影できるコーナー①
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忍者の人形と記念撮影できるコーナー②くノ一(女性)バージョン
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しかし、これは小手先に過ぎず、根本的な解決には至りません。

そこで、根本的に問題を解決するには、京都駅を大改造するしかありません。

その大改造の具体案としては、
京都駅の嵯峨野線ホームと特急”はるか”のホーム(30~34番のりば)を地下化すること

です。


地下化することにより、数十メートル東へとホームを移すこともできて、改札への通路や他の線との乗り換え通路も、複数設置することができ、今の京都駅の構造上の問題は解消できるでしょう。そして、地下化することにより、数百メートルだけ残る単線区間も解消でき、特急”はるか”と走行する線路を完全に分離することもできます。あとは、京都府・京都市・JR西日本の3者が、どこまでやる気があるのか次第です。地下化して空いた土地を、有効利用することも可能でしょう。


他に、地下化よりはコストが掛からない方法として、
ホームは現状のままで、亀岡・園部寄りの旧ビックカメラの位置に新たな改札を設置し、さらに他の線にも乗り換えられる連絡通路や改札外の南北通路をもう1本、整備すること
も考えられます。
主に特急が発着している30・31番のりばには、ビックカメラに直結する改札が1カ所ありましたが、今年5月のビックカメラ閉店とともに、この改札は閉鎖されています。ここを有効利用することは今すぐ考えるべきことでしょう。
現在、今の京都駅ビルが開業したと同時に使用を開始した、橋上の西口改札付近の南北通路や乗り換えの連絡通路は常に混雑していて、嵯峨野線の混雑問題解消とともに、京都駅を挟んで、駅の南北の移動を便利にするためにも、地下化ができないのであれば、こちらはぜひ実現するべきと言えます。しかし、線路の配線は現状のままであるため、ダイヤ上のボトルネックとなっている、数百メートルの単線区間は解消できません。やはり、ダイヤ上のネックも解消できる地下化の方が効果は大きいと考えます。

なお、地下化して京都寄りの車両に混雑の偏りが防げるとしても、4両は絶対にあり得ません6両か8両は絶対に必要です。前回も述べた通り、実際に4両では亀岡・園部寄りの車両であっても、発車直前にもなれば乗り切れない事態も起きています。一方で、6両か8両であれば、亀岡・園部寄りの車両は発車直前でも比較的空いていることが多いです。



最後に、地下化実現と同時に、奈良線や湖西線との直通運転も検討するべきでしょう。

奈良線と直通すれば、京都府内・京都市内の南北の移動が格段に便利になり、観光客からすれば奈良~宇治~稲荷〜嵐山が直通で行けるようになります。京都駅構内の混雑を解消できる他、駅の規模の割には決して十分なホーム数とは言えず、折り返しにやや難のある京都駅での列車の滞留も減らせます
ただし、奈良線は最大6両までしか対応できず、最大8両での運転が可能な嵯峨野線と比べて、輸送力が減ってしまいます。他にも、同じ221系車両を使うとは言え、車両基地が嵯峨野線は京都(向日町)に対して、奈良線は奈良であり、使用する車両は全く異なるため、これらの兼ね合いをどうするか、と言う問題が起きます。

そこで、同じく京都駅での折り返しが多い、湖西線との直通も視野に入れます。嵯峨野線と湖西線・草津線は、車両基地が同じ京都(向日町)であり、使用する車両がほぼ同じである他、これら3線は全て8両での運転が可能であり、車両面での制約は奈良線と比べて少ないと言えるでしょう。湖西線や草津線と直通運転をすることで、大津市~嵐山等が直通で結ばれ、鉄道ネットワークの拡充にも貢献できます。
デメリットを挙げるとすれば、湖西線は強風で止まることが多く、その影響が嵯峨野線にも及ぶことでしょう。


2回に渡って、嵯峨野線の混雑問題を取り上げましたが、この混雑問題を解消するには、ダイヤ・車両面の改善と、京都駅の構造上の問題解消が急務と言えます。
今後、新たなニュースが入ったり、状況の変化などがあれば、当ブログで紹介予定です。

混雑が問題になるJR嵯峨野線①:変に快速へのこだわりは要らない

個人的に時々、JR嵯峨野線を利用することがありますが、今年に入ってからインバウンドの観光客が完全に戻ってきて、オーバーツーリズムによる混雑が大きな問題になっています。この件に関しては、メディアでも多く取り上げられ、京都府知事も改善要望を出すほどになっています。
混雑緩和の切り札?元阪和線の223系。臨時で出された嵯峨嵐山行き。
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MBSニュース:“混みすぎ”の京都 観光客らの危険行為・大混雑のJR嵯峨野線・大行列のタクシー乗り場など課題多数…解決に向けて知事やタクシー協会が動く


京都新聞:通勤ラッシュ並み混雑のJR嵯峨野線「減便から元に戻して」 京都府知事が異例の要望

京都新聞:京都・嵯峨野線が激しい混雑、実際に乗ってみると・・・ JRに増便予定はあるのか



そんな混雑が問題となっている、嵯峨野線に乗ってみると、色々と疑問に思うことが少なくありません。個人的に考える問題点と改善策について、簡単に述べると、以下の4点となりますが、今回は主にダイヤや車両面を中心とし、最後の京都駅の構造上の問題については次の記事で取り上げます。
1、観光客や地元の通勤・通学等で利用者が多いのに、日中は基本的に4両編成・20分間隔とはあり得ない。
2、車両が基本的に3ドアの2+2列のクロスシートで、詰込みが効かず、混雑を助長。
3、早くコロナ禍前(2017年3月)のダイヤに戻す。それができないなら、日中の快速にメリットはほとんどなく、6両編成以上で普通のみ15分間隔にするべき。
4、京都駅の構造上の問題。
まずは嵯峨野線の路線図から、1日の乗車人員と観光地の立地状況、乗り換え路線などを記してみました。
嵯峨野線の1日の乗車人員、観光地等の立地状況、乗り換え路線の状況など(乗車人員は2019年の京都府の統計書より、路線図はJRおでかけネットより)
嵯峨野線路線図


このように嵯峨野線沿線には観光地の他、学校なども多く点在し、京都~亀岡間は秘境駅とも言える保津峡駅を除いて、どの駅も観光客や通勤・通学など、それなりに利用者が多い駅が連なります(コロナ禍前に戻りつつある状況を考慮し、2019年のデータを掲載)。これを基本的に4両編成・20分間隔で賄おうとしているのが根本的な間違いだと思えます。

沿線で最大の観光地は何といっても、嵯峨嵐山駅が最寄り駅となる、嵯峨野・嵐山エリアでしょう。このエリアには、他に阪急・嵐電・京都市バス・京都バスの路線もありますが、これらと比較してJR嵯峨野線のメリットは、京都の玄関口である京都駅から15分程度と言う、最短・最速でアクセスできる点にあり、これが故に観光客の利用が集中すると言えます。ただし、大阪や神戸などからは、阪急でもアクセスできることから、ある程度は分散しているでしょう。

遡ると、2017年のダイヤ改正では、京都~嵯峨嵐山間の京都市内区間は毎時快速1本・普通4本に増やされ、普通しか停車しない駅であっても、15分間隔・毎時4本の乗車機会があり、京都市内区間を利用する観光客や通勤・通学客にとって、ほぼ理想的とも言えるダイヤでした。欠点を挙げるとすれば、馬堀駅が最大30分程度間隔が開き、割を食った点でしょうか。割を食った点は保津峡駅も同様ですが、秘境駅とも言えるほど利用者が極端に少ない駅なので、特に問題はないでしょう(一応同駅は京都市内の駅になっていますが、個人的には上記の京都市内区間には入れてません)。

2017年のダイヤ改正時点の日中ダイヤ(過去のJR西日本のリリースより)
2017ダイヤ


しかし、コロナ禍による観光客を中心とした、需要減少もあり、2021年のダイヤ改正で、毎時快速1本・普通3本に戻されてしまった経緯があります。さらに、亀岡~園部は毎時2本から1本に減らされています。
JR西日本、2021年3月ダイヤ改正

2023年3月時点の日中ダイヤ(JRおでかけネットより)
2023ダイヤ


昨年秋あたりから段階的に水際対策が緩和され、今年春からは5類移行とともに、完全に日本入国への水際対策が全て撤廃され、インバウンド需要が戻ってきています。しかし、肝心なダイヤは今年の春の改正でも減便したままで、戻されていないほか、両数も多くが4両のままです。特に、今年の桜のシーズン、春の行楽シーズンは需要増加に対応できず、この頃から混雑が問題化してきていると言えます。
そして、車両に関しても全てが3ドアのクロスシートで、詰込みが効きにくく、より混雑を助長している点もあります。特に、ベビーカーや車イスでは乗車不可能な事態も起きています。

この春頃からの混雑はメディアでも多く取り上げられ、利用者からの苦情も殺到したからか、JR西日本もようやく段階的に臨時増発や増結などの対応をとるようになります。
嵯峨野線 混雑緩和に向けた対応について 2023.9.21
嵯峨野線 臨時列車運転・両数変更のお知らせ(9月) 2023.8.22
嵯峨野線 夏の臨時列車運転・両数変更のお知らせ 2023.6.30

特に、秋の紅葉シーズンは1年で一番混雑する時期と言うもあり、様々な対応が取られています。
この秋(10/21~12/10)の混雑緩和に向けた、主な内容
◎臨時増発(平日18本、土休日20本)
◎両数を4・6両を6・8両へ増結(平日60本、土休日57本)
◎補助いすの利用時間帯の縮小
◎2+1列の座席の車両を一部列車で運転
◎一部特急列車を嵯峨嵐山駅に臨時停車&チケットレス特急券のキャンペーンを実施
この春からは2+1列となっているクロスシートの阪和線から転入してきた223系が嵯峨野線を走行することになりました。この車両は、2+2列のクロスシートとなっている他の車両とは違い、立ち席スペースが広く、詰込みが効き、混雑緩和の切り札とも言えます。ただし、この車両の運用に関して、本来は嵯峨野線で混雑する京都寄りに連結することに専念するべきと言えますが、実際には亀岡・園部寄りにのみ連結されることがあったり、特定の車両への集中が少ない湖西線の運用に入ることもあるなど、疑問もあります。
京都駅にて。元阪和線223系が亀岡・園部寄りにのみ連結。「これは連結順序が逆やろ」、と思わず突っ込みたくなる。
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特急列車の臨時停車に関しては後述します。

これらの対策は小手先のものであって、根本的な解決とは言えません。増発と言っても、既存のダイヤの中に落とし込めただけで、間隔は歪です。一番望ましいことは、やはり京都市内区間を毎時快速1本・普通4本のコロナ禍前のダイヤに早く戻すことです。ここで、京都駅付近で特急”はるか”とも線路を一部供用し、ネックとなる単線空間が存在する、と言う構造上の問題を指摘する点もありますが、コロナ禍前のダイヤを見ると、特段問題はないでしょう
しかし、JR西日本としては、この先も利用者が増えることがあまり見込めず、車両の新造を抑制して、京都・滋賀エリアから国鉄車両を引退させるなど、車両を削減したこともあってか、コロナ禍前のダイヤに戻すことは躊躇っていることでしょう。
実際に京都新聞の報道で、社長の発言が触れられています。


そこで、コロナ禍前のダイヤに戻せないのであれば、改善策として考えられるのは、以下の3点です。
◎日中は普通のみ15分間隔にする、変に快速にこだわる必要はない
◎両数は最低でも6両以上
◎車両を2+1列のクロスシートか、ロングシートにして、詰込みが効くようにする


京都~亀岡間を普通のみ15分間隔にすれば、実にスッキリとして、メリットも多いと感じます。
普通のみ停車駅でも確実に毎時4本・15分間隔となる他、各駅とも乗車機会や待ち時間が完全に均等となって、わかりやすくなり、列車による混雑率の偏りもなくなります。特に乗り換えが多いとみられる、京都駅での新快速との乗り換えも完全に一定となります。そして、2017年のダイヤ改正では割を食って、最大30分程度間隔が空いていた、馬堀駅でも毎時4本・15分間隔が実現します。保津峡駅に関しては、利用者が極端に少ないので、一部列車は通過させることを考えても良いでしょう。
JR西日本側としても、全体的な本数・車両や人員は特に増やさずに済むと言う合理化も達成できます。
実際に、現在では日中でも混雑を招く一因となっている、2021年のダイヤ改正では、混雑の偏りを防ぐため、朝時間帯の亀岡・園部方面の快速を普通に変更した例があります。

一方、快速をなくすことによる、デメリットを上げるとすれば、快速停車駅同士の速達性が少し低下する点だけです。特に亀岡・園部方面への速達性低下も指摘されるところですが、実際に快速と普通の所要時間差は京都~嵯峨嵐山で5分程度、京都~亀岡で7分程度です。快速停車駅同士は現在、日中に毎時4本の乗車機会がありますが、現状のダイヤを見ても、快速が間に入ることにより、間隔は歪になり、待ち時間もバラバラです。これを普通のみ15分間隔にすれば、このような歪なダイヤも解消されてスッキリし、むしろ平均的な待ち時間は短くなることで、全体的な所要時間が大きく変わることはありません。快速停車駅同士であっても普通のみ15分間隔はメリットがあると言えます。亀岡~園部間に関しては、現在は日中60分間隔に減らされ、さらに速達性の低下で不便になるとの指摘もありますが、以前の30分間隔に戻すことを前提で考えると、普通のみ30分間隔でダイヤは完全に一定になって、わかりやすくなります。



近年、他の路線を見ても、快速(私鉄で言えば急行・準急など)の速達性を捨てて、普通列車(各駅停車)のみにした上で、各駅の乗車機会向上とダイヤの均等化、列車による混雑率の偏りをなくし、一方で全体的な本数は抑制して合理化へと舵を切った路線は多く存在します。

同じJR西日本でも、阪和線の日根野~和歌山間などで例があります。
他にも、神戸市営地下鉄西神・山手線、近鉄奈良線・大阪線の一部区間、JR東海の静岡エリア、JR東日本の仙台エリア、JR北海道の札幌エリアの函館本線などにおいても、同様に普通列車の本数を増やし、快速(私鉄なら急行・準急等)を廃止する傾向があります。この件に関しては、過去の乗りものニュースでも以下のように取り上げられていて、実際に事業者に取材したところも掲載されています。
乗りものニュース:地下鉄の「快速」導入は難しい? かつて運行していても復活できないワケ

神戸市交通局の回答(阪神淡路大震災前の一時期に快速を走らせていたが、震災を機に廃止)
「快速は、普通列車の運行間隔を拡げて走らせていたため、混雑する電車と空いている電車が生じるなど、列車により混雑率が大きくばらついてしまったのです。朝ラッシュ時などは列車の運行間隔を拡げるのが難しく、快速は日中のみ、30分間隔での運行に限られていました。
加えて通過駅では等間隔の運行ができず、利便性を損なう結果にもなりましたので、阪神大震災から復旧するなかでダイヤを見直し、快速による速達性よりもダイヤの均質化を図り、普通列車の本数を増やしてきたという経緯があります。」

乗りものニュース:欲しいのは18きっぷ愛好家だけ? 静岡県内の東海道本線に「快速がない」ワケ JR東海の答えは

JR東海の回答(静岡地区に快速の設定は基本的にない)
「静岡地区の東海道本線につきましては、お客様のご利用の多い駅が連続しております。快速列車を設定しても、停車する駅が多くなると予想されるため、到着時間の短縮には大きく寄与いたしかねます。通過駅の乗車機会が減少することにもなり、快速の運転は総合的に判断して、お客様へのサービス向上には繋がらないという考えから、現在の列車体系とさせていただいております」


コロナ渦前のダイヤに戻せないなら、嵯峨野線も上記に当てはまると考え、変に快速の速達性にこだわるメリットは感じられません。よって、普通のみ15分間隔の方がメリットは多いです。

あと、車両面に関して、両数は最低でも6両以上は必要です。京都駅の構造上の問題があるとは言え、4両では亀岡・園部寄りの車両でも発車直前には混雑していることが多いので、4両では輸送力不足なのは明らかです。
さらに、車両を元阪和線の223系のように2+1列のクロスシートにするか、ロングシート化するのも一つの改善策です。ただし、梅小路京都西駅に3ドア用のホームドアがあるため、4ドア車両は入れません(快速のみなら不可能ではないが)。

近年、他の路線を見ると、同じJR西日本でも奈良・和歌山エリアの227系はロングシートに踏み切ったほか、さらに名古屋エリアの中央西線、福岡・北九州エリアの鹿児島本線など、ロングシート化に踏み切る路線は出てきています。ちょうど最近、JR九州はロングシートへの改造を公式に公表しています。
JR九州:813系電車ロングシート化します

嵯峨野線でも、まずは特に混雑が激しい、一番京都寄りの車両だけでも、全て2+1列のクロスシートにするか、ロングシート化を検討する必要は大いにあるでしょう。実際に阪神では、大阪梅田や神戸三宮などで出口が近い、両先頭車のみロングシート、その他の中間車両はクロスシートと言った例はあります。


最後に、この秋は土休日に限り、一部の特急きのさき・はしだて・まいづるが、嵯峨嵐山に臨時停車する措置が取られ、さらにチケットレス特急券でのキャンペーンも行われています。
一部特急の嵯峨嵐山駅臨時停車&チケットレス特急券のキャンペーンのポスター
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しかし、これに関しては少し疑問も感じます。本来、これらの特急列車は京都市内から、京都府中部・北部の丹波・丹後地域、さらには兵庫県北部の但馬地域への長距離利用者向けであり、京都市内区間の短距離利用者向けの列車ではありません。嵯峨野・嵐山の観光客を、丹波・丹後・但馬地域へも呼び込むのであれば、嵯峨嵐山駅停車はメリットがあると言えますが、普通列車の本数が増やせないから、苦肉の策として嵯峨嵐山駅に停車させると、本来の利用対象である長距離利用者が乗れない事態も起こり得ます。嵯峨嵐山駅に臨時停車させるとすれば、長距離利用者の事前予約が少ない時に(全席指定なので事前の予約状況は把握可能)、安価な料金設定にすれば、ジャパン・レールパスの利用者や、10分程度であっても料金を追加して混雑から逃れたい利用者にとってはメリットがあり、また特急料金収入も見込め、さらにそれによって快速・普通の混雑が少しは緩和されると言うメリットはあります


12月となり、もうすぐ来年春のダイヤ改正が公表される時期になりましたが、嵯峨野線のダイヤ改善は急務と言えるでしょう。

次の記事では、京都駅の構造上の問題について取り上げます。

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  • EXPO2025開幕から1年、熱い半年間の振り返り①:個人的な主な記録や感想など
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  • この春から新登場、京都始発”のぞみ548号”に乗り継ぎ可能な範囲など。同日に行われた、近鉄のダイヤ変更により、京阪本線からの乗継範囲が拡大。
  • 早朝の朝一番に新登場、京都始発”のぞみ548号”に乗車。新横浜には7時台に到着、首都圏へ11分早く到着することが可能に。
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