JR東海、2023年11月より、東海道新幹線の車内ワゴン販売終了など、新しい車内サービスを発表。主な内容と、これに対する私見を述べることにします。
主な内容

JR東海公式リリース
東海道新幹線の新しい車内サービスの展開について

2023/11/1より実施
◎駅周辺店舗の品ぞろえ充実、車内への飲食物の持ち込み増加、静粛な車内環境を求める意見、将来にわたる労働力不足などへの対応から、「のぞみ」「ひかり」の全号車で実施している車内ワゴン販売を終了
◎グリーン車や11号車多目的室で、お困りごとやお尋ねごとに、より応えられる接遇を中心に、モバイル端末の普及等に伴う新たな取り組みを開始
 ・各座席のQRコードで飲食物を注文し、パーサーが各座席までお届け(こだまを除く)
 ・各座席のQRコードで乗務員呼び出しが可能
◎ホーム上で、車内販売の人気商品であるコーヒーやアイスクリームの自販機を拡充するなど、駅における飲食の提供を強化

◎グリーン車・普通車共通:多目的室案内サービス
11号車の多目的室のQRコードより、乗務員を呼び出し、よりタイムリーに利用可能に
以下は私見
個人的にも、新幹線の車内販売では毎回のように、人気商品となっている、コーヒーやあのカチカチのアイスクリームの他、ビールやつまみなどを買っていて、新幹線乗車の際の楽しみでした。
車内販売の人気商品、コーヒーと、あのカチカチのアイスクリーム
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様々な意見があることは承知していますが、私の個人的な考えを正直に述べると、車内販売が終了とか冗談じゃありませんし、JR各社は本当に座席に座っているだけで、つまらないものになっていると言わざるを得ません。
「人手不足等で自社グループで車内販売が難しければ、最低限車内に自販機くらいは設置するか、他の業者に委託するとか考えろ」、と思います。
自販機設置するなら、駅のホームに増やすのではなく、車内に設置するべきだと思います。
まして今回は、日本の大動脈であり、日本を代表する列車とも言える、東海道新幹線の「のぞみ」「ひかり」で車内ワゴン販売終了&車内の自販機も設置しない方針ですから、本当に冗談じゃないと思います。JR東海をはじめ、JRグループ各社は客のことをなど考えずに、国鉄独占の体質も変わらず、何の工夫もせずに、一方的に車内販売を廃止して、車内の自販機も撤去して、怠慢な姿勢だと思います。一般的な商売では絶対にあり得ないことが、JRグループにはまかり通っているのが現状です。
特急料金を別に追加して乗っていると言うことは、座席や速さだけでなく、最低限自販機程度は設置して、しっかりとサービスを確保するべきだと思います。東海道山陽新幹線は、場合によっては4~5時間乗車すると言ったこともありますが、それだけ乗るのに車内販売もなし、車内に自販機もない、途中駅で買い物できる時間もない、と言ったことがあり得るでしょうか。さらに、グリーン車に関しても、座席が良いだけで、他に何かサービスがある訳でもありません。

こう言った考えを述べると、「車内で入手できなければ、事前に用意しない客が悪いから、受け入れろ」「嫌なら乗るな」などと言われることもありそうですが、私個人的には一貫して異議を唱え続けようと思います。
なぜかと言えば、JRグループ各社以外の移動手段のサービス内容を見ると、JRグループの怠慢さが見えてくるからです。

ここで、JRグループ各社以外の移動手段の車内(あるいは機内・船内)サービスの一例を見てみましょう。
①私鉄有料特急
・近鉄特急”ひのとり”・・・挽き立てのコーヒーの自販機や、ドリンク・お菓子等の自販機あり
・南海ラピート・サザン指定席、小田急ロマンスカー、京成スカイライナー・・・車内に自販機あり

②飛行機(FSC:フルサービスキャリア)
機内で、機内食やドリンクなどのサービスあり。ファーストクラス・ビジネスクラスであれば、違った機内食が出る上に、空港ではラウンジもあり。

③飛行機(LCC:ローコストキャリア)
機内販売があり、ドリンクや食事を買うことが可能

④フェリー・高速船
短時間であっても自販機や売店があることが多く、長時間の場合はレストランもあり

⑤高速バス
・高額なバスであれば、車内で自由にお茶が飲めることあり
・途中サービスエリアで休憩があり、飲食物を入手可能

⑥海外の鉄道
・アメリカ・アムトラック・・・車内にカフェあり(長時間列車の場合は食堂車もあり)、ファーストクラスや寝台車は車内で食事付&駅のラウンジが利用可能
・ヨーロッパ(ユーロスター・TGV・ICE・フレッチャロッサなど)・・・車内にカフェあり、ファーストクラスは車内で食事付&駅のラウンジ利用可能
近鉄特急”ひのとり”のコーヒー等の自販機
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近鉄特急”ひのとり”の自販機の写真を上げてみましたが、これだと挽き立てのコーヒーが飲める自販機がある他、他にもドリンクやお菓子程度は入手できます。新幹線の車内販売で多く売れているのは、主にコーヒーと、あのカチカチのアイスクリームと言わていますので、この程度の自販機に加え、アイスクリームの自販機があれば、車内販売がなくても不便さは、ある程度解消できると言えます。

よって、JRグループ各社に対して、こんなことを言いたくなります。
「私鉄や飛行機、フェリー、高速バス、さらに海外の鉄道の車内サービスを見て、もっと勉強しろ」

私個人的には、今後東海道新幹線では、余程急がない限りはEXこだまグリーン早特を利用しようと思います。安価でグリーン車でゆっくり寛げる上に、途中停車時間が長い駅の自販機や売店で飲食物が入手できるチャンスがあるからです。

色々と考えを述べてきましたが、JRグループ各社の魅力向上や満足度向上に向けて、車内販売や車内の自販機を一方的に撤去する方針が見直され、これらが再度復活するよう、乗客側がしっかりと声を上げ続けなければならないと思います