京都市内の駅名について取り上げます。総じて、京都市内の駅名は曖昧なものが多すぎると感じることが多々あります。

まず、例として京都市内中心部で、阪急烏丸駅と地下鉄四条駅についてです。これら両駅は四条烏丸交差点付近の同じ場所にあり、両線の乗り換えの利用者も多ければ、京都市内でも有数の繁華街で、京都市内の金融・ビジネスの中心でもあり、さらに祇園祭の際には山鉾が並ぶ場所でも知られ、京都市民や京都市在勤・在学者はもちろん、観光客の利用も多い駅です。それにも関わらず、両者で駅名が異なるのは、観光客を中心に混乱を招いていると思わざるを得ません。

同じ場所にあるにも関わらず、駅名が異なる、阪急烏丸駅と地下鉄四条駅。
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四条駅と烏丸駅は、祇園祭の時には特段の賑わいを見せる。
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京都市街地の中心部は碁盤の目状になっている街であり、東西の通りと南北の通りが交差する地点は、両者の通りの名称をそれぞれ組み合わせたものが交差点名となっていて、この交差点名が場所を特定する際に用いるのが一般的です。
地下鉄四条駅と阪急烏丸駅に関しても、東西の四条通と南北の烏丸通りが交差する地点にあり、このあたりの地名は両者の通りをそれぞれ組み合わせて、交差点名にもなっている、四条烏丸と呼ぶのが一般的であり、「四条烏丸の駅」と呼ぶことも多く、実際にバス停に関しては四条烏丸となっています。
交差点の名前は、四条烏丸。
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バス停も四条烏丸。
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ところが、鉄道の駅名に関しては、四条烏丸ではなく、阪急・地下鉄両者がそれぞれ四条駅・烏丸駅と別々の駅名を名乗っているのが現状です。

この現状は、京都市内の鉄道の駅名、特有とも言え、他都市では見られないものです。
その問題点は、
交差する通り名だけを駅名にしていて、走行する通り名は省略している」
、ことです。

四条駅と烏丸駅に関しても、地下鉄烏丸線は烏丸通りを走行することから烏丸を省略して四条だけを、阪急に関しては四条通りを走行することから烏丸だけを、それぞれ駅名にしていて、これでは線である道路名だけが駅名となり、点として場所を特定することができません線と点の違いに係わるものであり、これは大きな問題です。
もし、京都市内のバス停を同様に、走行する道路を省略していたら、どうなるでしょうか?四条としか付かないバス停などが乱発することになり、そんなことあり得ないとなるでしょう。
地下鉄は烏丸を省略して、四条だけを駅名に。
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阪急は四条を省略して、烏丸だけを駅名に。
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でも、京都市内の鉄道の駅名には、そんなあり得ないことが、当てはまっているのが現状です。それが原因で、四条と烏丸のように、全く同じ場所にあるにも関わらず、駅名が異なっている一方で、逆に十条のように全く異なる場所にあるにも関わらず同じ駅名を名乗っている、と言う矛盾が起きています。

この問題を解決するには、走行する道路を省略することなく、交差点名やバス停の名称と統一するしかありません。
よって、地下鉄四条と阪急烏丸の場合、両者とも四条烏丸に駅名を改称することです

ここで、「地下鉄四条と阪急烏丸は、四条烏丸の交差点付近にあり、両者は同じ場所で乗り換えも可能であると、説明すればわかる」との意見が出るかもしれませんが、このように反論します。
「駅名は何も説明を加えることなく、聞いただけで場所等をすぐに特定できなければ何の意味もない。説明すればわかるのは、同時に説明しなければ理解できないことであり、これはインフォメーションとして失格である。」

ただし、京都市内でも全ての駅が、このように交差する道路だけで駅名にしている訳ではありません。実際に一部だけですが、このような問題点に気付いたのか、道路の交差点名やバス停と合わせた駅も存在します。それは以下の例です。
烏丸御池(地下鉄烏丸線・東西線)
※地下鉄烏丸線と東西線の乗り換え駅だが、東西線開通に合わせて、烏丸御池に改称した経緯があり。

西大路御池(地下鉄東西線)
※東西線の太秦天神川延伸に合わせて、開業した駅だったが、離れた場所にあるJR京都線の西大路駅との混同を避けるため、西大路御池とした経緯があり。

四条大宮(嵐電・京福)

西大路三条(嵐電・京福)
※元々は三条口だったが、西大路御池に改称した経緯あり
同時に、なぜ他の駅名も改称させることに、気付かなかったのでしょうか。疑問に感じます。



以下、同様に京都市内で曖昧だと感じる駅の例を取り上げ、新たに改称するとした場合の駅名案について、取り上げてみました。ほとんどが四条と烏丸の例と重なるものがありますが、そうでない例もあり、その点については注釈を付ける形で解説します。
国内外から観光客が多く訪れる、日本でも有数の観光都市でもあることから、鉄道会社任せにせず、京都市が音頭を取って、早急に改称を実現させる必要があるでしょう。
京都市内の駅名、改名案

地下鉄烏丸線
北山  ⇒ 北山・植物園前 Kitayama-Botanical Garden
※ここは北山通り上にありますが、烏丸通りと交差する地点ではありません。近くにある、植物園を駅名に用いることにします。
北大路 ⇒ 烏丸北大路 Karasuma-Kitaohji
※同時に北大路バスターミナルも、烏丸北大路バスターミナルに改称します。
鞍馬口 ⇒ 上御霊神社 Kamigoryo Jinja Shrine
ここから鞍馬寺や貴船方面へ行ける訳でもないのに、このような駅名は明らかに観光客に混乱を招くだけです。実際に車内放送でも「貴船・鞍馬方面へは国際会館駅までご乗車ください」との放送を流していますが、「そんな放送をするなら、紛らわしい鞍馬口の駅名を変えろ」と言いたくなります。ここの場合、近くにある上御霊神社を駅名にすることにします。
今出川 ⇒ 烏丸今出川 Karasuma-Imadegawa
丸太町 ⇒ 烏丸丸太町 Karasuma-Marutamachi
四条  ⇒ 四条烏丸 Shijo-Karasuma
五条  ⇒ 烏丸五条 Karasuma-Gojo
九条  ⇒ 烏丸九条(大石橋)Karasuma-Kujo(Ohishibashi)

※烏丸九条だけでなく、近くのバス停は大石橋なことから、大石橋を用いることも考えます。
十条  ⇒ 烏丸十条 Karasuma-Jujo


地下鉄東西線
二条     ⇒ 千本二条 Senbon-Nijo
※下記のJR嵯峨野線も同様
京都市役所前 ⇒ 河原町御池(京都市役所前)Kawaramachi-Oike(Kyoto City Hall)
三条京阪   ⇒ 三条川端 または 三条大橋  Kawabata-Sanjo or Sanjo Ohhashi Bridge
※交差点の名前の三条川端か、歴史ある東海道五十三次の終点である三条大橋とします。下記の京阪も同様。
東山     ⇒ 東山三条  Higashiyama-Sanjo
地下鉄東西線開通前、ほぼ同じ場所にあった京阪京津線は東山三条だったのに、東西線の駅名に”三条”が省略されたのは残念です。それに、東山は京都市街地の東側にある山々と、その周辺のエリアを総称する名称であり、駅名のように一つの場所を特定するために使うものではありません。
小野 ⇒ 小野勧修寺 Ono-Kanshuji Temple
※山科駅から同じく一本で行ける、滋賀県のJR湖西線にも小野駅が存在し、混同を避けるため、近くにある勧修寺を付け加えます。

京阪
神宮丸太町 ⇒ 川端丸太町(平安神宮) Kawabata-Marutamachi(Heian Jingu Shrine)

※神宮と付く神社は、1カ所ではありません。ただの神宮だけでは曖昧過ぎます。
三条京阪  ⇒ 三条川端 または 三条大橋  Kawabata-Sanjo or Sanjo Ohhashi Bridge
※上記の地下鉄東西線と同様
清水五条    ⇒ 川端五条・清水口 Kawabata-Gojo, Kiyomizu Entrance
※清水寺の最寄り駅ではありますが、やや距離があるので、清水口とします。
七条              ⇒ 七条川端 Shichijo-Kawabata
鳥羽街道       ⇒ 十条師団街道 Jujo-Shidankaido road

※実際の鳥羽街道はこの駅から西へ2km以上離れた場所であり、矛盾が起きてます。

近鉄
十条   ⇒ 十条油小路  Jujo-Aburanokoji
伏見   ⇒ 伏見棒鼻 Fushimi-Bobana

※京都市伏見区は広く、一つの場所を特定するために用いる駅名として、伏見を用いるのは適切とは言えません。しかも、この駅は伏見区の中心部にある訳ではありません。近くにある棒鼻バス停から用いることにします。
桃山御陵前 ⇒ 桃山御香宮 Momoyama-Gokogu
※桃山御陵に近いのはJR奈良線の桃山駅の方であり、不適切です。近くにある御香宮神社を用います。

阪急
京都河原町 ⇒ (京都)四条河原町 (Kyoto)Shijo-Kawaramachi
※大阪梅田駅等への改称に合わせて、京都側の中心部にあるターミナル駅であることをわかりやすくするため、とのことで京都河原町に改称した経緯がありますが、このあたりは交差点名である、四条河原町と呼ぶことが多く、四条河原町としなければ意味がありません。その上で、京都を付ける必要があると思えます。
烏丸    ⇒ 四条烏丸 Shijo-Karasuma
大宮    ⇒ 四条大宮 Shijo-Ohmiya
※上記の嵐電に合わせるだけでなく、首都圏の北側で最大のハブ駅でもある、埼玉県の同名の駅と区別させる点もあります。
西院    ⇒ 西院(”さいいん”または”さい”)Sai or Saiin
※下記の嵐電とは、同じ場所にあり、漢字こそ同じですが、読み方は阪急が「さいいん」、嵐電が「さい」と異なり、ひらがなやアルファベット表記では全く別の駅と思われてしまいます。やはり、どちらかに読み方も統一することでしょう。
嵐山    ⇒ 嵐山南 Arashiyama-South
※嵐電の嵐山駅とは渡月橋を挟んで距離があります。嵐山の南側にあることを明確化させます。

JR京都線
西大路 ⇒ 西大路八条 Nishioji Hachijo
桂川  ⇒ 久世 Kuze 
※桂川は河川の名前であり、線の名前です。ここは副駅名として久世が用いられているので、こちらにします。

JR嵯峨野線
梅小路京都西 ⇒ 七条千本・梅小路 Shichijo Senbon Umekoji

※付近の交差点名は必要であり、その上で梅小路公園があることを明確化させます。京都西と言うのは曖昧です。
丹波口    ⇒ 千本五条  Senbon Gojo
※京の七口の一つである、丹波口ですが、これも曖昧であり、付近の交差点名に合わせます。
二条     ⇒ 千本二条  Senbon Nijo
※上記の地下鉄東西線と同様。
太秦     ⇒ 太秦撮影所前  Uzumasa Studios
※下記の嵐電と同様で、乗り換え可能であれば、駅名を統一するしかありません。

JR奈良線
JR藤森⇒大亀谷 Ohkamedani

※京阪の藤森とは距離があり、仮の駅名であった大亀谷を用います。

嵐電・京福
西院    ⇒ 西院(”さいいん”または”さい”)Sai or Saiin
※上記の阪急と同様で、説明済
撮影所前  ⇒ 太秦撮影所前  Uzumasa Studios
※上記のJR嵯峨野線と同様
嵐電天神川 ⇒ 太秦天神川  Uzumasa Tenjingawa
※地下鉄東西線との乗り換え駅であれば、合わせないと意味がありません。

叡山電車
茶山・京都芸術大学 ⇒ 茶山 Chayama
※大学は駅から少し距離があり、わざわざ付ける必要がなかったのでは、と思えます。それに、京都市立芸術大学と大学名が混同するとして、物議を醸したこともあります。これを駅名に用いるのは疑問に感じます。