3/4、富山で6:19発、泊行きに乗り換え、直江津を目指すことにします。
ここからは南に立山連峰を望みながら、北側はより日本海に近い区間となり、車窓に日本海を望める区間へと入ります。
この区間も、新幹線開通による三セク移管と特急列車廃止により、地域輸送の視点で見ると、普通列車の本数は増え、特急列車の通過待ちがなくなり、利便性は向上しているように思えます。
ただ、魚津駅のように、新幹線開通前は”はくたか””北越”をはじめ、多くの在来線特急が停車し、わずかながら大阪直通の”サンダーバード”もあった駅が、新幹線の駅が設置されることなく、特急廃止により、魚津駅は不便になったように思えます。
泊駅には7:10到着、直江津行きとの接続時間は2分です。
泊駅にて。あいの風とやま鉄道車両とえちごトキめき鉄道車両が、同一ホーム上に縦列停車する様子。
列車の運行上は、ここ泊駅が富山と新潟の境界と言えます。実際には一駅隣の越中宮崎駅を過ぎると、新潟県に入りますが、折り返しできる駅の都合上、ここ泊駅であいの風とやま鉄道が富山側へ、えちごトキめき鉄道が新潟側へ折り返すダイヤが主体です(新潟側から県境を越えるえちごトキめき鉄道の列車は全て泊駅まで乗り入れ、一方で1日に数本だけ富山側のあいの風とやま鉄道から糸魚川直通列車が存在する)。
泊駅での乗り換えに関しては、上記の写真のように、同じホームに縦列停車する形として、ホームを移動することなく、短時間で乗り換えられるよう、配慮されていて、乗り換えの不便さを極力小さくする工夫が見られます。こう言ったこともあり、この駅には誘導信号機があり、後から入線する列車は駅手前で一時停止しながら、速度を落としてホームに入線するようになっています。
富山方面と糸魚川方面の停車位置の案内
この縦列駐車のような停め方を、地元の富山県朝日町は、両社の車両が同一の線路上でお見合い停車しているようだとして、両社の文字の一部を組み合わせて、”あいのトキめき駅”と称していて、恋愛のパワースポットや観光スポットとして、さらには婚活支援事業としてもPRしているほどです。
旅するあさひ
JR北陸本線の時代、この区間の普通列車は富山~直江津直通が主体でしたが、三セク移管により、このように泊駅での乗り換え主体に変わりました。これは富山県内区間の普通列車の輸送密度はそれなりに高いのに対して、新潟県内区間の普通列車の輸送密度が低くて、輸送量に段差があり、えちごトキめき鉄道が1両の気動車での運行を主体とするようになったことから、このような運行形態となったものです。
7:12、えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインの列車に乗り換え、泊駅を発車。ここからは、ヒスイ海岸をはじめ、より間近に日本海を望む区間となります。一駅となりの越中宮崎駅を過ぎると、新潟県に入り、難所で知られる親不知一帯へと入って行きます。
この日本海ひすいラインの車両ET122形は、元がJR西日本の路線だったこともあってか、JR西日本のキハ122がベースとなっていて、車内は転換クロスシート。車内の内装やシートの色合いを見ると、阪和線・関空紀州路快速用の223系と全く同じに見えます。

新潟県内に入ると、トンネルが多い区間となります。日本の東西の境目とも言われる、糸魚川静岡構造線のフォッサマグナ上に位置し、北アルプスの北端が直接日本海につながり、海岸沿いに断崖が続く地形となっていて、古くから難所と言われていた親不知一帯。終戦直後の国鉄時代にまで遡ると、山肌にへばりつき、海岸を縫うように線路が敷かれていて、地滑りの多い地帯でもあったことから、高度成長の時期に輸送力や速達性、定時制向上のために、段階的にトンネル主体へと切り替わった経緯があります。後に開通した北陸道は海の上を走っているので、いかに難所であるかがわかる場所です。ちなみに、北陸新幹線はこのあたり一帯を長いトンネルで貫いています。
雪に覆われた北アルプスの山々を望みながら、姫川を渡って7:41、糸魚川駅に到着します。ここは北陸新幹線の駅もあり、日本海ひすいラインでは一番の大きな駅と言え、平日の朝の時間帯と言うこともあり、高校生をはじめとした学生の乗り降りが目立ちます。
ちなみに、北陸新幹線の開業により、糸魚川からは、同じ新潟県内で県都である新潟市へ行くには最低でも2時間以上かかるのに対し、富山・金沢・長野へは1時間もかからずに行けてしまい、さらに言えば東京へも2時間程度で行くことができてしまいます。もやは県都新潟市へ行くよりも、富山・金沢・長野へ行く方が時間的にも距離的にも圧倒的に近く、また時間的には新潟市と東京がほぼ同じと言う現実があります。このことから、新潟県は西端・糸魚川~東端・村上が290kmほど離れていて、東西に非常に長い点と、北陸新幹線のケタ違いの速さがよくわかります(北陸新幹線開業前であっても新潟市へ行くより、時間・距離ともに富山・金沢へ行く方が近いと言う現実があり)。
糸魚川到着前に姫川を渡る。雪に覆われた北アルプスを望む。
糸魚川に到着。ここまで雪は全くない。
糸魚川を発車すると、ヒスイ海岸沿いを走行し、一駅となりにある、最近開業したばかりのえちご押上ひすい海岸駅を過ぎると、交流と直流の切り替え地点(デッドセクション)を通過。このデッドセクションが存在する上に、普通列車の輸送密度が低いことも合わせて、コスト削減のために、日本海ひすいラインの列車が気動車での運転になった理由とも言われています。
さて、敦賀から日本海側を通ってきて、ここまでは雪が全くありませんでしたが、この先、トンネル内に筒石駅があることで知られる、全長11kmの頚城トンネルを抜け、上越市に入ると、一面雪で真白な銀世界となり、思わず「アンビリバボー」と心の中で叫びました。新潟県は東西に非常に長い県ですが、糸魚川と上越市と言う、新潟県西部を60kmほどしか移動していないのに、これだけ気候が変わるものなのか、とも思わされました。
一面が銀世界となった雪景色の中、定刻通り8:27、直江津に到着しました。ここが北陸おでかけtabiwaパスの東端となりますが、期間限定であるとは言え、このパスを使えば、敦賀からここまで980円で行けるとは、本当に超破格値であることに気付かされます。
直江津駅に到着した、ET122形
使用した北陸おでかけtabiwaパス











