南海、加太線に新たな“めでたいでんしゃ”がデビュー。
~加太さかな線 新型観光列車~ ”はじまりの「めでたいでんしゃ」”がデビュー
主な内容
◎第5編成として、今回はじめて2000系2両1編成を改造し、“とお~い祖先”・“はじまりの「めでたいでんしゃ」”として、2024年7月13日より加太線・和歌山市~加太で運行開始。
◎デザインや名前などの詳細は後日発表
新たな”めでたいでんしゃ”のイメージ、上記リンク・リリースより
2014年から、地元の加太観光協会や磯ノ浦観光協会などと共同で、加太線活性化の取り組みとして始まった、「加太さかな線プロジェクト」。その一環として、2016年に“めでたいでんしゃ”の第1編成(ピンク色・母・さち)が登場してから、現在まで、色合いやデザイン、名前がそれぞれ全く異なる編成として、4編成が運行中の“めでたいでんしゃ”。今回、デビューする第5編成もまた、これまでの4編成とは、色合いやデザイン、名前が全く異なります。
加太駅にて、第1編成、ピンク色・母・さち
和歌山市駅にて、第2編成、水色・父・かい
和歌山市駅にて、第3編成、赤色・子ども・なな
和歌山市駅にて、第4編成、黒色・さちの兄・かしら
個人的には、以前和歌山市に住んでいて、磯ノ浦海水浴場には自転車で20分程度で行ける範囲だったこともあり、加太線は馴染み深い路線でもあります。この「加太さかな線プロジェクト」が始まる前は、同じ和歌山市内で、南海の路線を継承した、和歌山電鐵貴志川線では三毛猫のたま駅長が大ブームとなり、たま電車が走り出すなど、多くの観光客でにぎわう一方、加太線では特に何も手が入れられることなく、利用者は年々減少傾向で、次は加太線が廃線になるのでは、と言う噂もあったほどです。
そう言った状況に、地元が危機感を抱き、南海と共同で「加太さかな線プロジェクト」を始め、その一環として“めでたいでんしゃ”が運行を開始したり、加太駅や磯ノ浦駅などの駅舎も改装リニューアルされるなど、近年は利用者を増やす取り組みが続いているところです。
加太線の魅力は、何と言っても海でしょう。大阪市内から1時間程度の近さで、”関西の湘南”とも呼ばれ、関西におけるサーフィンのメッカとも言える磯ノ浦海水浴場のほか、加太には夕日の絶景が見られる、加太海水浴場があり、夏を中心に賑わいを見せます。他にも、加太には鯛料理・しらす丼、ひな流しで有名な淡島神社、船を使えば手つかずの無人島・友が島へも渡れるなど、多くの見どころがあるエリアです。
関西のサーフィンのメッカ、磯ノ浦海水浴場
加太海水浴場
淡島神社の鳥居
今回、第5編成の“めでたいでんしゃ”も、ちょうどその夏の時期に合わせてのデビューとなり、多くの海水浴客などに注目される存在になれば、と言うところです。
さて、これまで“めでたいでんしゃ”は、7100系を改造して運行中ですが、今回はじめて2000系を改造して使用することになりました。これは加太線を含めた、南海のワンマン運転する支線の車両を2000系に統一する方向であり、今後加太線も順次2000系への置き換えが進むのでは、と言うところです。実際に多奈川線や高師浜線では2000系が既に運用に入っています(下記の過去のリリースにて記載あり)。
鉄道線旅客運賃の変更認可申請を行いました
2000系は、1990年から高野線で、山間部を走る橋本以南と、平坦区間の橋本以北を直通運転することを目的の車両ですが、近年は難波~高野山(極楽橋)直通運転の急行が縮小となり、両数を持て余し気味で、一部は南海本線の普通でも活躍していますが、17m2ドア車と言うこともあり、20m4ドア車が多く走る南海本線や高野線橋本以北では使い勝手が良くない点が否めず、今後ホームドアへの対応を考えると、明らかに障壁になることは間違いありません。
また、これまでの“めでたいでんしゃ”や南海本線の7100系、支線用の2200系も40年超えの選手となり、老朽車両の取り替えも避けられません。これらの置き換えと、ホームドアへの対応に8300系で置き換えを進め、2ドアの2000系はワンマン化改造をした上で、支線用へと回ることになります。7100系の”めでたいでんしゃ”も置き換えの可能性が十分あり得ます。










