3/4、上越妙高駅から、10:19発の妙高はねうまラインで、直江津駅に戻ることにします。途中、高田や春日山で降りることも考えましたが、吹雪のため断念しました。

直江津駅は、鉄道の要衝とも言える場所で、北陸新幹線金沢開業前まで遡ると、“はくたか”“北越”をはじめ、多くの長編成の特急列車が発着したこともあり、長大なホームがその名残を感じさせます。しかし、今となっては短編成の普通列車が主体となり、長距離列車の大部分は新幹線の上越妙高駅へと移り、特急列車は4両のしらゆきのみ。その長大なホームが持て余すほどです。ただ、今も鉄道の要衝であることに変わらず、えちごトキめき鉄道の2路線に、JR信越線、北越急行も乗り入れ、見れる車両は豊富です。

直江津駅、駅舎

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直江津駅の駅名標、えちごトキめき鉄道が管理している駅であることがわかる
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JR信越線E129系と北越急行の車両が並ぶ
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広い駅が、かつては長距離列車が多く発着していた名残、周囲は雪景色
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改札口。右側には窓口と券売機、左側には待合室と駅のコンビニNEW DAYSがある。
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えちごトキめき鉄道スペシャルアンバサダーである、NGT48の等身版パネル
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鉄道関連の施設が多いことも特徴で、えちごトキめき鉄道はD51レールパークをオープンさせたほどです。この時は営業日ではなく、中に入ることはできませんでした。

 

駅の北側にはそば屋があり、少し早いお昼として、そばをいただきます。寒いこともあり、体が温まります。駅北側は古くからの直江津の市街地になっていますが、駅前は人通りが少なく、活気があるとは言えない状況でした。


駅北側にある、そば処・直江津庵でそばを味わい
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ここ直江津駅のホームには、待合室を改装して使っている、自習室と言う、ユニークなものがありました。えちごトキめき鉄道にとって、一番の拠点駅ですが、この駅を跨いで利用するには多くの列車は乗り換えが必要であり、必ずしも短時間で接続とは限りません。そこで、えちごトキめき鉄道の鳥塚社長の発案で、学生に乗り換え時間を有効に使ってもらうように、と自習室が設けられるようになったようです。もちろん、学生向けの自習室なので、学生以外の一般利用者が入ることはできません
駅ホームにある自習室
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ちょうど、長岡・新潟からの、特急”しらゆき”4号がやってきました。かつては常磐線で活躍していたE653系で、60Hz交流区間にも対応した装備を持つ車両で、もし北陸新幹線が開通してなければ、今頃金沢や大阪まで来ていたのかも、と思わされます。

特急しらゆき、E653系
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この特急”しらゆき”を見ると、北陸新幹線の負の側面新潟県の抱える事情などを感じることができます。新潟県は、西は糸魚川から東は村上まで、約290km離れていて、東西に非常に長い県となりますが、この直江津等の上越市や糸魚川市は新潟県でも西部に位置し、同じ県内の県都である新潟市に行くには140kmほど離れていて、特急”しらゆき”で1時間40分ほどかかります。一方で、上越妙高や糸魚川から北陸新幹線を使えば、長野・富山・金沢へは1時間ほどあれば行けてしまい、同じ県内の県都新潟市に行くよりも近いです(時間的距離で言えば、県都新潟と東京はほぼ変わらない)。さらに同じ新潟県内では、中部の長岡や新潟に関しては、上越新幹線が通っていて、上越新幹線を使えば大宮や東京まで、同じ県内の上越市や糸魚川へ行くのと、時間的距離はほぼ変わらない状況となり、これらのことから、新幹線によって新潟県内は東西分断が起きていると言えます。東西分断が起きていて、利用者が減っているのか、特急”しらゆき”も減便になっているほどです。


北陸新幹線金沢開業前に遡ると、日本海縦貫線で大阪~金沢~新潟を直通で行けたのが、北陸新幹線開業により、この日本海側の移動も直通では行けなくなり、こちらも分断状態が起きています。例として今は、金沢~新潟を移動するには、上越妙高で北陸新幹線から特急“しらゆき”への乗り換えになりますが、上越妙高~直江津はえちごトキめき鉄道の路線を通過しなければならず、JRの路線同士でつながらない区間ともなりました。対東京の移動ばかりを考えた結果、日本海側の移動や新潟県内の東西移動は不便になっていると言えます。実際に、関西在住者からすると、北陸新幹線の開通で新潟は遠くなった、と実感します。最近になって、LCCPeachが関西~新潟線を就航したことにより、少しは改善されましたが。

新潟県も、これには問題意識を持っているようで、最近になって、上越妙高~長岡を連絡する高速鉄道の必要性を訴えるようになってきました。案としては、フル規格の新規建設に、北越急行ほくほく線の活用、既存路線のミニ新幹線化や高速化など、色々あるようです。

個人的には、将来の新潟から先の羽越新幹線計画も考慮し、上越妙高~長岡を連絡する高速鉄道は、北陸新幹線の大阪開通とともに、国土強靭化や日本海側の国土軸形成のためにも必要であると考えます。大阪~金沢~新潟が再び乗り換えなしで、しかも劇的時間短縮で結ばれることにより、東京・首都圏に依存しない高速鉄道網が必要と言えます。