2024年10月 奈良線・京都線で新型一般車両がデビューします! ~2025年度には大阪線・名古屋線・南大阪線にも新型一般車両を投入します~
上記リリースより、外観と内装

主な内容・車両系式 8A系
・運行開始時期 2024年10月
・運行線区 奈良線、京都線、橿原線、天理線
・製造両数 2024年度は4両編成×12本 計48両(整備完了次第、順次投入)
車両概要
◎外観デザイン
ツートンカラーの近鉄らしさを踏まえ、ご利用の皆さまに身近に、親しみを持っていただける
新しいデザイン。
◎ベビーカー・大型荷物対応スペース「やさしば」
ベビーカーやキャリーバック・スーツケースなどの大型荷物を持つ乗客が周囲に気兼ねなく着席できるスペースを、車両中央のドア付近に、1両あたり2カ所設置します。キャリーバックやスーツケースなどのキャスターのひとつを掛けて荷物を動きにくくするストッパーを設置。名称はベビーカーや大型荷物の乗客をはじめ、どなたでも快適に・気兼ねなく座れる「やさしさ」を共有できる空間となるように、「やさしば」。
◎扉個別開閉スイッチ(ケーブルカーを除き、近鉄初)
駅に長時間停車する際、夏期や冬期の車内保温のために、個別に扉を開閉できるスイッチを設置。
◎ご利用状況に応じてロングシートとクロスシートを切り換え可能な、L/C シートを設置。1両のなかでロングシートとクロスシートを混在して配置することも可能。
◎冷房能力を向上させた空調装置、扉の開閉に連動した空調制御、車内温度センサの増設などにより、酷暑などにも対応したきめ細やかな車内温度の調整。
◎扉付近の乗客とシートに着席する乗客がお互いに気を遣うことがないよう、間に大型の仕切を設置。
◎深紫外線 LEDにより車内空気の除菌を行う装置を設置。
◎防犯対策・車内防犯カメラを1両あたり4カ所設置。非常通話装置が作動した時にその映像を乗務員や運転指令者がリアルタイムに確認して車内の状況を迅速に把握。
・乗務員と通話ができる非常通話装置を1両あたり2カ所設置。
◎バリアフリー対応
・各車両に1カ所の車いすスペース(フリースペース)を設置。
・出入口の高さを下げてホームとの段差を低減し、乗降しやすく。
・車内の扉上に大型の液晶ディスプレイを設置し、停車駅や列車の運行情報を多言語で表示する
他、広告も放映。
◎省エネルギー対応
・新型のインバータ制御装置を採用し、渋滞車両と比較して消費電力を約45%削減。車内照明や前照灯にLEDを採用して省エネルギー化を進めて環境負荷軽減
◎今後の導入予定(計116両)
・奈良線・京都線・橿原線・天理線・・・2024年度48両(4両×12本)、2025年度36両(4両×9本)
・大阪線・・・2025年度8両(4両×2本)
・南大阪線・・・2025年度12両(4両×3本)
・名古屋線・・・2025年度12両(4両×3本)
昨年、新型の一般車両の導入が公表されましたが、今回さらに詳しい内容が公表された形です。当初のデザインより外観は変更になっているようです。
◆参考:過去のリリース
近鉄・2024年秋 新型一般車両を導入します
阪神なんば線15周年の際にも取り上げましたが、近鉄の一般の新車となると、阪神なんば線開通に備えて、奈良線・京都線等にシリーズ21が増備されて以来となり、阪神なんば線開通以来、15年以上にわたって、一般車両の新車導入が完全に滞っていた状況で、異例とでも言える気がします。今回、この8A系が阪神に直通とは書かれていませんが、導入当初は近鉄のみで運用し、その後阪神への直通も開始するのでしょうか。
そして、今年度は奈良線・京都線・橿原線・天理線が対象ですが、来年度は大阪線・南大阪線・名古屋線にも導入することも公表されました。これらの線の一般車両の新車となれば、大阪線・南大阪線に関しては20年ほど、名古屋線に関しては21世紀に入ってから、一般の新車が1両も入っていません。特に2010年代に一般の新車が1両も入っていないのは、他の大手私鉄を見たら、あり得ない事態とでも言えます。
その新車導入が滞っている間に、大規模なリニューアルをした車両があるとは言え、50年超えの選手も続出し、車両の老朽化問題は切実と言えます。今回、公表された導入車両では、まだまだ完全に老朽化した車両を取り替えるには程遠いように思えますので、さらなる拡大は欠かせないでしょう。
車内に関しては、シートはロング・クロスシートを切り替えられる、LC車両となり、混雑状況に合わせて切り替えられるとのことで、ラッシュ時間帯と日中時間帯に分けて、柔軟にシートの設定を望みたいところです。専用の特急車両を持つ、近鉄では関東私鉄のようにクロスシート設定で、有料座席になることはあり得ないでしょう。
上記リリースより、車内レイアウト
その他、バリアフリーや大型荷物・ベビーカーの利用者向けのスペースも用意されました。座席定員は減りますが、今の時代には欠かせないでしょう。「やさしば」と呼ばれるシートは、他社を含めても、これまでの車両にはなかったものと言えます。
上記リリースより、「やさしば」のイメージ
あと、JRでは多くの車両にある一方、私鉄ではまだまだ少ない、押しボタン式のドアも導入されることになりました。夏の暑い時や冬の寒い時に、長時間停車する際には助かるでしょう。
とにかく、待ちに待った、近鉄の新型一般車両8A系。デビューが楽しみです。









