JR西日本は2025年4/1より、京阪神エリアの運賃改定。


京阪神都市圏における運賃体系の見直しについて
20241014_190153
▲運賃が変わることを告知するポスター

◎公表されている主な内容

◆国鉄分割民営化以降、都市圏の拡大など、利用状況の変化を踏まえ、大阪付近の運賃水準を平準化するため、京阪神エリアの運賃体系を見直し。シンプルでわかりやすく、京阪神エリア共通の運賃体系に。

◆大阪付近の電車特定区間の対象(太字は今回新たに対象の区間(これまでは幹線運賃を適用))(赤字:今回廃止になる大阪環状線内の運賃適用区間

 ・琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線:野洲~京都~大阪~三ノ宮~西明石~姫路~網干

 ・JR宝塚線:大阪~尼崎~宝塚~新三田

 ・JR東西線・学研都市線:尼崎~京橋~長尾~松井山手

 ・大阪環状線:大阪~天王寺~大阪

 ・JRゆめ咲線:西九条~桜島

 ・大和路線:JR難波~天王寺~奈良

 ・阪和線:天王寺~和歌山

 ・羽衣線:鳳~東羽衣

 ・関西空港線:日根野~関西空港

 ・おおさか東線:大阪~新大阪~久宝寺

 ・湖西線:京都~堅田

 ・嵯峨野線:京都~亀岡

 ・奈良線:京都~城陽

◆上記のエリアでは営業キロ1kmにつき15.50円に平準化
◆定期券も同様に平準化し、現行の電車特定区間運賃から1.3%改定した額に

鉄道駅バリアフリー料金制度は、新たに拡大する電車特定区間を含めた、大阪付近の電車特定区間に拡大(普通運賃の場合でプラス10円、通学定期券には適用しない)
◆並行私鉄との競合区間に設定している、より安価な特定区間運賃は基本的に変更なし。ただし、一部変更あり。
◆通学定期券は、高校生等に対しては通学定期券(大学生等)を1割引、中学生等に対しては3割引、小学生等に対しては小児通学定期券(通学定期券の半額)を3割引した運賃を適用

2025年3/31終電までは改定前の運賃で、4/1からは改定後の運賃で発売(3/31までに購入したきっぷ・定期券は有効期間中はそのまま使用可能)



◎主な区間の運賃の例  太字:改定後の運賃、(細字):改定前の運賃

・初乗り(1~3km)(大阪~天満、京都~稲荷等) 150円(大阪環状線内と電車特定区間は140円、幹線運賃150円)


◆並行私鉄との競合区間に設定している、特定区間運賃の例

基本的に変更なし。ただし、一部変更あり。

・大阪~京都  580円

・大阪~三ノ宮 420円


◆大阪環状線内の例

基本的に値上げ

・大阪~天王寺 200円(190円)

・大阪~京橋  180円(170円)


◆これまでの電車特定区間内の例(上記の特定区間運賃の適用がない区間)

基本的に値上げ

・大阪~明石   960円(950円)

・天王寺~久宝寺 200円(190円)


◆これまでの電車特定区間内の駅~新たに電車特定区間内の駅を跨る区間の例

基本的に値下げ、ただしバリアフリー料金等で値下げでない場合もあり

・大阪~姫路    1,460円(1,520円)

・三ノ宮~姫路   960円(990円)

・大阪~草津    1,120円(1,170円)
・天王寺~関西空港 1,060円(1,080円)
 
※関西空港線内の加算運賃を含む、今回変更なし


◆新たに電車特定区間となる区間のみの例

基本的に値下げ、ただしバリアフリー料金等で値下げでない場合もあり

・京都~草津  410円(420円)

・西明石~姫路 580円(590円)

・京都~宇治  240円(240円)


◆電車特定区間内(新たに特定区間となる区間を含む)~特定区間外、または電車特定区間外のみの例

変更なし

・京都~米原 1,170円



◎主な私見
◆これまでは国鉄時代の運賃制度を基本的にそのまま、今回JR西日本になって初めて本格的に運賃制度を見直すことに
現在のJRの運賃制度は基本的に国鉄時代のものをそのまま使用していることが多く、既に国鉄分割民営化から35年以上が経過しても基本的に見直されないままとなっていました。
この間、京阪神エリアを見ると、大津・草津方面、加古川・姫路方面、宝塚・三田方面や奈良線・湖西線・嵯峨野線の一部区間などのように、ベッドタウン化や都市化の拡大が進んでいるにも関わらず、大阪付近の電車特定区間に入っていなかったりするなど、運賃体系が歪な状況となっていたところ、今回JR西日本になってからは初めてとも言える、抜本的な運賃体系見直しが行われることになりました。


◆総じて、民営化後にベッドタウン化や都市化が進んだエリアでは値下げ、京都・大阪・神戸の都心部に近いエリアでは値上げ。きっぷや定期券の購入時期にも影響。
これにより、京阪神エリアの運賃体系が平準化されることになりますが、総じて、上記のベッドタウン化や都市化の拡大が進んでいる区間では運賃値下げ、一方で京都・大阪・神戸の都心部に近い区間では値上げとなり、特に大阪環状線内の運賃廃止により、大阪環状線内の値上げ幅は大きいと言えるでしょう。
よって、定期券の買い替えのタイミングなども、上記のベッドタウン化や都市化の拡大が進んでいる区間では4/1以降に、一方で京都・大阪・神戸の都心部に近い区間では3/31までに購入する方がお得と言えます。


◆並行私鉄との特定運賃適用区間と、その他の区間に跨る区間の場合、途中駅で一旦下車し、2区間分割の方が安い現象は変わらないが、通し運賃と2区間分割運賃との差額は多くの区間で縮まる
個人的により気になったことに関しては、並行私鉄との競合区間に設定している特定区間運賃に関して、今回は基本的に変更なしとのことで、さすがに並行私鉄との競合区間で現在より値上げとなると、私鉄よりもさらに運賃格差が広がることになり、これは避けたかったと言えます。
ただ、これにより特定区間運賃が適用される区間と、その他の区間に跨って乗車する場合に関して、一旦改札を出て、降りた方が安くなると言う現象は、今回も解消されることはありません。少し前までは、駅近くの金券ショップではこの点を把握した上で、それぞれ2区間に分割した回数券のバラ売りが行われていた他、現在も定期券に関しては2区間分割定期券が存在するほどです。

例として、大阪~姫路を見ると、一旦三ノ宮で改札を出て、降りた方が安いと言う現象は今回も変わりません。ただし、西明石~姫路が新たに電車特定区間となり値下げが実現することから、通し運賃と、一旦三ノ宮で下車した場合の運賃との差が縮まると言えます。
 ・大阪~姫路(通し運賃):1,460円(改定前1,520円)
 ・大阪~三ノ宮:420円(変更なし)
 ・三ノ宮~姫路:960円(改定前990円)
 ・大阪~姫路(一旦三ノ宮で下車した場合):1,380円(改定前1,410円)


この点に関して、個人的にはICカード利用限定で自動的に2区間分割の運賃を適用するか、または一旦通常の通し運賃を適用した上で差額はWESTERポイントで還元するなど、できないものか、と思いますが、JR側としては敢えて損をするようなことはやらないでしょうか。



と言うことで、JR西日本の京阪神エリアの運賃改定について取り上げました。最後までお読みいただきありがとうございます。