万博会場西ゲートから東京へ直行で行ける、夜行バス・JRバスのEXPOドリームに乗って、行ってみました。
10/4・5は用事があり、東京に行ってたのですが、その前日の10/3には、万博に行く予定があり、せっかくなら今しか乗れない、万博会場西ゲートから夜行バスEXPOドリームで、東京へ行ってみることにしました。
乗車した、JRバス関東のEXPOドリーム号。西ゲートを出てすぐ、夢洲第一交通ターミナル、大屋根リングを背景に。
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乗車したのは、西日本JRバスとJRバス関東が共同運行する、EXPOグランドリーム2号。万博会場西ゲート21:15発の便となります。普段は大阪駅またはユニバーサル・スタジオ・ジャパン発着のバスが、この万博開催期間中は万博会場の夢洲まで延長運転している形です。




乗車するにあたり、まずはきっぷの手配となりますが、高速バスネットから予約しました。

乗車の約2週間前に予約しましたが、二階席の3列席は既に満席。一階席の4列席しか空いてませんでした。よって、一階席の4列席で行くことになりました。
ネット上で予約&決済を済ませると、あとはメールで送られてきた、QRコードの付いたWEB乗車票を自宅等のプリンタで印刷するか、スマホの画面に表示させて、バス乗り場へ向かうだけなので、本当にシンプルです。
WEB乗車票。予約&決済が完了すると、メールでこれが送られ、あとは印刷するか、スマホの画面に表示させるだけで、乗車可能なので、本当にシンプル。
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先日、同じJRグループでも鉄道の方ではネット予約で連携のニュースを当ブログでも取り上げましたが、高速バスに関しては随分前から、この高速バスネットと言う、共通のネット予約システムが存在します。

一方で、鉄道の方は、各社ネット予約のシステムはバラバラ、そしてスマホの画面で表示させて乗ることは基本できない、自宅等のプリンタで印刷して乗ることができない、特急券こそはチケットレスでも別に乗車券や交通系ICカードは必要などと言う、面倒な点が多数存在し、どうして同じJRグループでも、高速バスではできて、鉄道ではできないのか、疑問を感じざるを得ません。やはり、高速バスネットの鉄道版を早く構築して、一つのシステムに統合することが急がれます。


さて、乗車当日は万博会場西ゲート前にある、夢洲第一交通ターミナルを21:15発なので、パビリオンやドローンショー、水上ショー、ライブイベントなど、万博会場で一日中楽しんでから乗ることが可能な時間帯に設定されています。ただし、混雑等を考えると、少し余裕を持たせて、21時頃には西ゲートを出るのが望ましいと言えます。
西ゲートから退場
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21時頃に西ゲートを退場。西ゲート前の夢洲第一交通ターミナルから乗車しますが、桜島駅以外の大阪市内・京阪神エリアへのシャトルバスや、舞洲へのパーク&ライドのシャトルバスが発車するバス乗り場から、少し奥(東寄り)にある、空港バスや中長距離の高速バスが発着する乗り場となり、このJRバスのEXPOグランドリームはB-8番乗り場発です。少し奥まった場所で、わかりにくいところはあるので、やはり余裕を持って、21時頃には西ゲートを退場した方が無難と言えます。
B-8番のりばから発車する中長距離の高速バス。東京の他にも、松江・出雲市・広島・横浜・大宮・西船橋・名古屋等へのバスがあり。
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B-8番乗り場に到着すると、既にに20人ほどが、このバスを待っていました。やはり、関東・首都圏からの来場者からすれば、西ゲートから直行で行けるのはメリットが多いと感じます。
余談ですが、夜の帰りは西ゲート発のバスを予約すると、待ち時間なしで確実に帰ることができるのは、メリットと言えます。東ゲートから大阪メトロ中央線に乗ろうすると、迂回ルートを通らなければならず、駅に入場するまで30分ほどかかることが多いことを思うと。

乗車するバスが到着。乗車するEXPOグランドリーム2号は、JR東日本のグループ会社である、JRバス関東の車両でした。
側面のグランドリームのマークと、JRバス関東のマークも
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ここで、運転士さんにきっぷを見せて、乗車することになります。上記のWEB乗車票のQRコードを運転士さんが持ってるタブレットで読み込むことにより、改札は完了。通常の高速バスとは異なる点として、万博会場には大型荷物は持ち込み禁止で、夢洲内には荷物預かりも少ない上に、1万円と高額なこともあり、大型荷物を持った人は誰もいない、と言う点が挙げられます。よって、運転士さんがトランクルームに荷物を入れると言った作業をしていない点は、通常の夜行バスではなかなか見られない光景でもあります。
ただ、個人的にはこの中長距離の高速バスや空港バス利用者向けに、専用の手荷物預かりがあっても良かったのでは?、とは感じます。大阪市内や京阪神エリアのシャトルバスであれば、乗車前に荷物を預けてから万博へ行くことは十分可能ですが、中長距離のバスや空港バスともなれば、大型荷物を預けてから万博へ行くのは、かなり非現実的であると言えます。今回のEXPOドリーム号の場合、大型荷物を持っていると、大阪駅かUSJで一旦降りて、荷物を預けてから向かうしかありません。また伊丹・関空からの空港バスとなれば、空港に一旦荷物を預けるか、他の大阪市内の駅に荷物を預けてから向かうと言う方法しかありませんが、これではせっかくバスで直行できるメリットが薄れてしまうように思えます。

車内に入り、座席に座ることになりますが、今回は1階席の4列シート。これまでも、JRバスの夜行バスは何度も利用したことがあり、2階建てバスにも乗ったことはありますが、今までは2階席ばかりで、1階席の利用は今回が初めて。4列シートと言えば、狭いイメージがあり、なるべく3列シートを利用することが多いですが、4列シートと言っても、思っていたよりはシートピッチは広く、リクライニングの角度も結構倒れるので、快適に感じました。車内はWi-Fiもあり、各座席にはUSBポートのコンセントもありです。ただ、USBポートは接触があまり良くなく、十分な充電はできなかった感じでした。
そして、トイレも付いているので、安心です。
1階席の座席。
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この日は発車が10分ほど遅れ、21:25に夢洲第一交通ターミナルを発車。夢舞大橋を渡り、舞洲を経て、此花大橋を渡り、USJことユニバーサル・スタジオ・ジャパンに停車。ここでは数人程度の乗車でした(もちろん、乗車客のための停車であり、降りることはできません)。

USJを発車すると、阪神高速淀川左岸線へ。以前、新大阪・大阪梅田マルビル・中之島発のバスに乗車した際の記事で、今回の万博会場発着のバスは、一般車の通行が禁止されている、この阪神高速淀川左岸線の未開通区間を特別に通れるようになっている、と取り上げましたが、今回の東京行き夜行バス・EXPOドリームも同じく、未開通の阪神高速淀川左岸線を通っていきます。

大淀ランプで淀川左岸線を下り、大阪駅へ。大阪駅での乗車は数人程度であり、やはり大半は万博会場からの乗車でほぼ満席の乗車率に。終盤の駆け込みの時期で満員になっているのでしょうか。会期前半の乗車率も気になるところではあります。一方で、大阪駅から乗車の場合は、他にも大阪駅発のドリーム号があるので、そちらを利用していることだと思われます。

さて、大阪駅は定刻より遅れて、22:30頃に発車。ここで、詳しいアナウンス等が流れたあと、一旦消灯となります。

新御堂筋⇒中国道⇒名神⇒新名神を走行し、0:00頃、1回目の休憩で滋賀県の新名神土山サービスエリアで約15分休憩。ここは甲賀市と言うこともあってか、信楽焼のタヌキが迎えてくれます。通常、サービスエリアは上下線で別々に設置されていることが多いですが、この土山サービスエリアは上下線で共通のサービスエリアになっているところが特徴と言えます(もちろん、車はサービスエリア内で上下線を行き来することはできないので、間違わないよう要注意)。
土山サービスエリアで1回目の休憩
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信楽焼のタヌキが出迎え。上下線で共通のサービスエリアなので、間違わないよう注意。
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0:15頃、休憩が終わり、土山サービスエリアを発車。ここで本格的に消灯となり、私も睡眠時間に入りました。ただし、非常灯も兼ねて、一部ブルーライトが点灯したままとなります。
夜行バスに乗車するにあたっては、空気枕や耳栓、アイマスクは必須と言えます。特に、空気枕があると、かなり快適です。
この先は神奈川県の鮎沢パーキングエリアまでは途中停車はしても、乗客は外に出られない区間になります(法令で定められている運転士さんの休憩等のための停車)。車内にトイレはあるので、特に問題はありません。

ここで、首都圏~京阪神の高速バスで、JRバスが他社のバスと異なる点を挙げると、運転士さんが一人乗務であることです。通常、首都圏~京阪神となると、距離的にも時間的にも、連続運転できる時間が法律で決められていることなどもあり、二人乗務で1~2時間ごとに途中交代しながら運転することが基本です。
しかし、JRバスに関しては途中、東京~大阪のほぼ中間地点とも言える、愛知県の新東名・新城インター近くに営業所があり、ここで運転士さんが交代するのが基本です。今回乗車したバスも、大阪から新城までは西日本JRバスの運転士さんが乗務し、新城で交代、新城から東京まではJRバス関東の運転士さんが乗務となります。これにより、例として大阪側の西日本JRバスの運転士さんは東京まで行く必要がなく、拘束時間も短くなる上に、大阪~新城であれば、距離的にも時間的にも一人乗務で十分なので、よく考えられたシステムであると、毎回感じます。昼行バスに乗れば、乗務員交代を兼ねて、休憩で乗客も降りることができるので、乗務員交代を見ることができます。これは規模が大きい、JRバスだからこそ、為せる技とも言え、他社のバスが途中に営業所を設置してまで、こう言うことができる訳ではありません。ちなみに、新東名が開通する前は、静岡県の東名・三ケ日インター近くに、営業所があり、三ケ日で交代でした。

さて、バスは睡眠時間中に、途中の新城で乗務員交代も経て、新名神⇒伊勢湾岸道⇒新東名⇒東名を走行し、4:30頃、神奈川県に入ってからすぐの鮎沢パーキングエリアで2回目の休憩に。大阪を発車した時点では定刻より遅れていましたが、途中の高速道路が順調だったこともあり、予定よりも早めの到着でした。
神奈川県に入り、鮎沢パーキングエリアで2回目の休憩
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鮎沢パーキングエリアでの約15分の休憩が終了し、再び東名を東へ進み、5:30頃に東京都内へ入ったところで、首都高3号渋谷線へ。ここで、車内の照明が明るくなり、本格的に”おはよう放送”が入ります。
首都高に入ってすぐの5:35頃、用賀パーキングエリアに停車。ここは満車の場合は停車できないこともあってか、時刻表上では用賀パーキングエリアに停車することは記載されていませんが、この時は停車が可能で2人が下車。今回のバスは大阪を発車した時点では遅れていましたが、高速道路上で何のトラブルもなく、順調だったこともあってか、定刻より早い到着に。この用賀パーキングエリアは、その名の通り、近くには東急田園都市線用賀駅があるので、道路状況によってはここで電車に乗り換えた方が早くなることもあります。

大橋ジャンクションからは首都高中央環状線・山手トンネルを北へ進み、初台南ランプからは一般道へ。ここからは甲州街道を東へ進み、5:55頃、バスタ新宿に到着。定刻より10分ほど早い到着となりました。
高速バス、特に夜行バスの場合、クローズドドアシステムと言う、発車地側は乗車のみ、到着地側は降車のみであることが基本なので、このように到着地側では乗車客を待つ必要がないので、道路状況が順調であれば、定刻より早く到着できることはメリットと言えます。
乗車したきたEXPOドリームはバスタ新宿に到着
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バスタ新宿のSuicaのペンギン像、背後には高島屋なども
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バスタ新宿に発着する他のバスも、やはり京王バスが多い?
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このバスタ新宿ですが、2016年にオープン。それまではバス会社ごとに、乗り場がバラバラであったものを、この1ヶ所に集約。本当に便利になったと感じます。
それに対して、大阪梅田はまだ1ヶ所に集約したバスターミナルが存在せず、バス会社ごとにバラバラなままです。このバスタ新宿を見る度に、やはり大阪梅田にも1ヶ所に集約したバスターミナルが必要だと感じさせられます。今後、阪急梅田の大規模再開発の計画があるので、その際に実現させる必要があるでしょう。
バスタ新宿の模型(下の鉄道を見ると、今では見れない車両も)と、その説明も
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さて、バスを降りてから、新宿を少し歩きましたが、新宿駅西口も再開発事業が始まり、既に小田急百貨店があったビルは解体。西口から直接東口が望める状態になっていて、これも今しか見れない光景です。そして、右側に見える京王百貨店も建替え計画があるので、これもまた今後は大きく変わることになります。
新宿駅西口から東口を直接望めるのも、今だけしか見れない光景
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今回の万博も残りわずかとなりましたが、最後の方で今回、東京直行のEXPOグランドリーム号に乗ることができました。最後に気付いた点などを簡単にまとめてみます。
◎万博会場西ゲートから東京へ、乗り換えなしで、直結できる点は非常にメリットが多い(大阪メトロ中央線に乗るために東ゲートの混雑に巻き込まれることがない)
◎万博会場発であれば、その日1日の最後まで万博を十分楽しんでから、バスに乗って東京へ直行することが可能。新幹線の場合、少なくとも20時頃には退場しないと最終に間に合わない。
◎個人的には乗車していないが、東京発のEXPOドリーム号の場合、万博会場西ゲートには朝8時台に到着するので、朝9時入場に十分間に合う。新幹線の場合、朝一番に東京を出ても、会場到着は9時を過ぎる。ただ、朝9時入場の予約が取れないと、西ゲート前で待たされることになるので、滞留を防ぐためにも、個人的には高速バス利用者には朝9時の優先入場があっても良かったのでは?、と思えるところも。
◎万博会場内は大型荷物が持ち込み禁止なので、大型荷物があると大阪市内の他の駅などに、一旦荷物を預けてから向かうしかなく、東京から万博会場直結と言うメリットがかなり薄れてしまう。個人的には高速バス・空港バス利用者向けには、専用の手荷物預かり所があっても良かったのでは?、と思えるところも。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。