そんな中、8/7に東海道新幹線を運営するJR東海の社長は、米原ルートでの北陸新幹線の直通は、東海道新幹線の過密なダイヤ等を理由に困難と明言しました。
まずはじめに、北陸新幹線大阪延伸の個人的な考えとしては、建設するのであれば、既に決定していて、当事者から納得が得られていて、東海道新幹線とは一切干渉せずに京都・大阪へつなげる、小浜京都ルートで粛々と進めることであり、それが無理なら敦賀のまま現状維持でいい、と言う考えです。ただし、後述する通り、当事者が納得した上で、JR東海から米原での直通確約が得られれば、話はまた別です。
一部では、”建設費が安く、建設距離が短いから、何が何でも米原ルートだ”、”福井県・滋賀県・JR西日本等を無理やりでも黙らせて米原ルートだ”、”絶対にJR東海は直通を認めるはずだから”、などと当事者の意向を完全に無視して、過激な論調で米原ルートを主張する方がいますが、残念ながら、恐らくそのような方とは、話が全く嚙み合いませんので、ここからご退出ください。
課題は多くあっても、小浜・京都ルートで粛々と進めることに賛同な方、米原ルートは現実的ではないことを冷静に受け止められる方は、この先も引き続きご覧ください。
さて、話を元に戻し、JR東海社長の発言です。朝日新聞やABC朝日放送等が報じたものから引用します。
Yahooニュース、ABC朝日放送のニュースより

JR東海社長のコメント以前から言われていたことではありましたが、JR東海のスタンスは全く変わることなく、東海道新幹線の過密なダイヤ等を考えると、米原で北陸新幹線を直通させる余裕はないと言うことです。
◎「北陸新幹線のルートは国のほうで検討するもので、当社はコメントを差し控えさせていただく」と前置き
◎「米原での乗り入れなど具体的な課題を検討したことはない。今後、国から米原ルートの再考で当社に協力要請があったらそのときに考える」
◎「東海道新幹線はすでに大変密度の高いダイヤになっている。米原駅から東海道新幹線に乗り入れることは難しいという認識だ」
ただ、国から正式に米原ルートへの再考の要請があれば応じる、との考えを示していますが、実際に直通を容認するかどうかは別問題と言えるでしょう。
東海道新幹線と言えば、東名阪と言う、他の新幹線とは桁違いの膨大な需要を抱える区間であり、この東名阪をいかに高速・大量輸送するかが、最大の使命です。そのためにN700系の車両性能(加速減速性能、車体傾斜装置等)に、”のぞみ”12本ダイヤ、16両固定編成で各車両ごとの座席配置も揃えるなど、徹底した拘りがあることは以前から知られています。それが故に、座席配置が異なる500系が早々撤退となったり、線路は繋がっていても、九州新幹線との直通は容認していないこと、などもあります。JR東海としては、運行システム等も完全に同一で、N700系16両固定編成が乗り入れ可能な、山陽新幹線以外との直通を容認しないことは、今後も変わらないでしょう。
仮に、北陸新幹線を米原ルートで直通を実現させるとしたら、JR東海にもたらすメリットなどを示した上で、リニアが開通してダイヤに余裕ができることが大前提となりますが、リニアもいつ開通するかの目途も立っていない中、やはり非現実的と言えるでしょう。
合わせて、これまでの当事者の発言を見ても、米原ルートは全く望んでもいない発言ばかりです。
福井県知事「米原ルートなら、うちはお金を出さない」福井県からすれば、嶺南・若狭を通ってこそ意味があり、原発を受け入れてきたこともあり、小浜がルートから外れることは絶対にあり得ないことであり、また滋賀県からすれば効果が薄い上に、並行在来線の問題などを考えると、全くメリットがなく、両県とも米原ルートには明確に否定的な立場です。
滋賀県知事「米原ルートについては、望んでも求めてもおりません」
JR西日本社長「お金をかける意味がわからない」
JR東海社長「米原乗り入れは困難」
仮に米原ルートで建設するなら、建設区間は米原~敦賀となりますが、敦賀は福井県に、米原は滋賀県に所在する以上、これら両県の理解が大前提です。しかし、実際に石川県や京都維新を中心に、なぜか京都のことばかりを優先し、福井県・滋賀県を全く無視して、米原ルートと唱えるのか、本当に首を傾げたくなります。しかも、石川県は今回の北陸新幹線の工事区間の沿線自治体でもなく、同意や拒否をできる権限も全くありません。米原は京都府米原市ではありません、と言いたくなります。
JR西日本からすれば、JR東海の東海道新幹線とは一切干渉することなく、京都・大阪へとつないでこそ意味がある、また現状のサンダーバードが京都駅での乗り降りが多いことを考えると、最低限京都市内を通らないと全く意味がない、と言う立場です。
他方、京都での反対がよくクローズアップされていますが、当事者の京都府は懸念こそ示していても、計画自体には同意していて、米原への変更を求める発言もしていません。よって、小浜・京都ルートで京都府を納得させる以上に、米原ルートで福井県・滋賀県・JR西日本・JR東海を説得することの方が壁が高いことは明らかです。
そして、利用者からしても米原ルートはメリットが皆無です。湖西線開通前の時代に逆戻りする形になり、琵琶湖の東側の遠回りな経路となり、時間もかかり、運賃・料金も上がること、また京阪神~北陸・信越を移動する際に、東海道新幹線の大雨や雪の状況にも左右され、冗長性や国土強靭化の面で明らかに問題があります(共倒れのリスクにしかならない)。また、JR東海が直通を容認しない限りは、仮に米原に繋いでも、また中途半端に乗り換えとなり、間違いなく現状の敦賀乗換よりは不便になることも確実です。特に、大阪駅(梅田)~金沢駅で考えると、新大阪・米原で2回乗り換えになるなど、全くメリットはありません。
つまり、”小浜がダメなら米原へ”、は大きな間違いであり、”小浜が無理なら敦賀のままでいい”、と言うことです。
現在、何かと乗り換えが問題になっている敦賀ですが、個人的には昨年から何度か敦賀乗り換えを経験していますが、敦賀駅は乗り換え前提で設計したこともあり、基本的に上下移動のみで済み、”つるぎ”と”サンダーバード”に関しては、どちらかが遅れても必ず接続を保証してくれることを考えたら、最小限の負担で済んでいると言えます。そして、現状の敦賀乗換であれば東海道新幹線の影響に全く左右されることなく、京阪神~北陸・信越を移動することが可能な上に、大阪駅(梅田)~金沢駅も敦賀で1回乗り換えで済みます。
敦賀駅の乗り換え通路

ただ、敦賀止まりが続けば、北陸はどんどん首都圏へとシフトし、関西経済にとっては大きなマイナスとなり、関西全体の損失に繋がることは確実です。
やはり、多くの課題はありますが、敦賀乗換を解消し、再び京阪神~北陸直通を実現するには、小浜京都ルートで粛々と進めるしか方法はありません。
最後に、参議院選挙の結果を受け、国で再検証が行われることになっていますが、滋賀県・福井県・JR西日本・JR東海の4者に余程メリットがあるものが示されない限りは、米原ルートは実現不可能であり、結局は変わらず小浜京都ルートで進めることが示されるのでは?、と個人的には思います。逆に、米原ルートを唱えるのなら最低限、滋賀県・福井県・JR西日本・JR東海の4者に余程メリットがあると感じられるものを、しっかりと示した上で、全責任を持って納得させて、直通を確約させなさいよ、と言いたくなります。
今後も、北陸新幹線関連で動きがあれば、当ブログで随時取り上げる予定です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。














































































